第139話 ページ46
・
ゾムとドンさんのおかげで腕が死にそうになった俺は、その後慌てて駆けつけてきたトントンとぺーさんに救われ、パラソルの下で休憩していた。
「もう疲れた。帰りたい」というのが本音だが、彼らのことだ。もっと海で遊びたいに決まっている。それに迎えのリムジンが無いから俺だけ帰ることもできない。
『暇だな』
俺とは違って元気100倍の生徒会は今も海を泳いでいたり、追いかけっこをしていたり、時々俺のところに来ては捕まえてきたヒトデや貝殻、さらには紫の液体をだらだらと流させたままのアメフラシを持ってきて俺を困らせた。やめなさいガッチさん。アメフラシを海に戻してあげて。あぁ大先生を砂浜に埋めない!!可哀想でしょうが！
心の中で叫んでいると、ロボロがてくてくとこっちに歩いてきた。
その手にはさっき俺が食べ損ねたかき氷が2つ。どうした、大食いの君は俺の目の前で2つもかき氷を食べるのか。
「ここ座ってもええか？」
いつも付けている雑面を外しているロボロはその綺麗に整った顔で微笑みながら聞いてきた。これを断る理由がないので、『いいぞ』と返事をしてロボロが座るスペースを空ける。
「ありがとっ」
花が咲くようなロボロの笑顔に、いろいろ負けた気がする。
「Aも食べへん？」
そう言って、ロボロが俺の目の前にかき氷を差し出してきた。
意外すぎる展開に反応が遅れてしまい、それが俺の返事だと受け取ってしまったロボロが残念そうにかき氷を引っ込めるのを見て、我に返る。
『ま、待って、べつに断ったわけじゃなくて…!!』
ロボロに謝るために向きを変えると、そこにはすでに2つのかき氷に手を付けている彼の姿があった。
「あっ、すまん…口付けてもうた…」
まぁ、片方だけ食べてたらもう片方が溶けてしまうから仕方のないことだろうけど…目の前で食べられてたら俺も食べたくなってくる。
なので俺はロボロの制止の言葉を聞くこともせず、ひょいっとかき氷を1つ奪い、刺さっていたストローでかき氷を食べた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名月(プロフ) - 紫さん» ありがとうございます！心の励みになります！(登録しました。) (2020年4月3日 7時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 名月さん» お、おも、面白すぎるッ、神様ッ続きも頑張ってください(≧▽≦)喧嘩が強い女子は好きよ、、、 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 521a219ebb (このIDを非表示/違反報告)
名月 - らぁと。さん» あ、どうも！見に来てくれたんですね、嬉しいっス！！ (2020年3月3日 14時) (レス) id: 49ea14ed6e (このIDを非表示/違反報告)
らぁと。(プロフ) - どもです見に来ました((((誰おま (2020年3月2日 13時) (レス) id: b5de02ae24 (このIDを非表示/違反報告)
名月 - 黒猫さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年2月23日 22時) (レス) id: 49ea14ed6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
