常識を知らない女子高生は我々だとヒジキ組に狙われているⅢ【d!】 (ページ44)

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第137話ページ44

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既にやる気の無い俺は、あまりボールが来ないであろう後ろの方で見学…じゃなくて参加することにする。
俺一人やる気が無くてもショッピ君いるしね。彼がいるなら一先ず大丈夫だろ。

そう思っていたのが数分前。

『うおっ!？』

今現在、俺はグルッペン率いる最強最悪のメンバーから猛攻を受けております。

いっっっっや、バカじゃねーの!？全部の攻撃全て俺の方に向けてくるとか!!

飛んでくるボールの1つ1つが凄まじいスピードで、同じチームの人達にトスするのが精一杯だ。これでは俺が仕返しをしようにも思うように動けない。

だが、今のところどちらにも点数が入っていないという状態なので、俺が少し辛抱すればチームの誰かが必ず点数を入れてくれるはずだ。

よっしゃ、今に見てろグルッペン共!!ぎゃふん、もしくはぴょーぴょこ、このどっちかを言わせてやる!!

やる気を出した、その時だ。

「おい、A!!」

グルッペンに名前を呼ばれた。
彼の方へ兄者がボールを打ち、そのままグルッペンが受け取る、その瞬間。

「水着、似合ってるゾ」

『えっ…』

思ってもみなかったその言葉に数秒動きが遅れ、飛んできたボールを受けとることができなかった。
おかげでボールが顔面に当たり、その場に崩れ落ちるようにして座り込む。

「よっしゃー!!」

「やったな！」

トントンやキヨが喜ぶ声が聞こえたが…今はそれどころではない。
奴は…グルッペンは、今…何て言った？
水着が似合ってるって…

誰にも言われてなかったこと、言われるのに慣れていなかったことのせいで、今の自分の顔がとてつもなく熱い気がする。
は、恥ずかしいのか、嬉しいのか、屈辱的なのかよくわからないけど…とにかく、俺らしくない。何なんだ、あいつは。あいつらは。いつも俺の調子を狂わせてきやがって。

「あー…負けちゃったな…あれ、どうしたのAちゃん？」

水着姿のヒラが俺の顔を覗き込んだせいで、俺の脈拍が一気に上がる。お前が屈むと丁度腹筋が嫌でも目に入るんだよ!!

『み、見るな…!!』

腹筋もあるが、顔が赤くなっているのを見られたくなくて、必死に腕で視界を覆う。
もうやだ帰りたい。こんな姿見られたくない!!

「え、どうしたのっ？鼻血でも出た？日陰で休む？」

「わっ、Aどうした!？」

「え、痛かったか!？すまん、怪我をさせる気はなかったんや!!」

等と俺の周りにヒラや兄者、グルッペン達が集まってきて…

『あぁもうッッッ!!!!』

海に飛び込みました。