第113話 ページ20
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『はーい』
返事をして玄関へ向かう。
扉を開けると、黒いYシャツとジーパンに身を包んだグルッペンが驚いた顔でこちらを見ていた。後ろには彼の家のものなのか、真っ黒なリムジンが止まっていた。
『…どした？』
未だに驚いているグルッペンが心配になって声をかける。すると我に返ったかのように瞬きを数回し、口を開いた。
「あ、い、いや、べつに見惚れていたわけじゃ…!!」
顔を真っ赤にさせながら大きく手を横に振るグルッペン。なんなん、こいつ…。
「む、迎えに来たゾ…」
視線を泳がせて小さな声でそう言った。
『ん、ならちょっと待って。今荷物持ってくるから』
扉を一度閉めて、あらかじめ玄関に置いてあった荷物を手に取る。斜めがけのバッグも持った。
再び扉を開けて、鍵をしっかりと閉めてから、グルッペンに向き直る。
『お待たせ。迎えに来てくれてありがとうな』
一言礼を言うと、グルッペンは真っ赤になったまま俺に手を差し伸べる。
「…エスコート、だ」
一瞬だけポカンとなってしまったが、せっかく手を出してくれたのだ。受け取らないはずがない。俺は素直にグルッペンの手を取り、お言葉に甘えてエスコートして貰うことにした。
『よろしく』
「ッ」
視線は逸らされたものの、エスコートは慣れているのかなめらかな動きでリムジンのドアを開けてくれる。…慣れているっていうのが気に食わないが。
中に入るとリムジンは思ったよりも広く、そしてうるさかった。
「あ!Aやっと来た!!」
「遅いぞA」
一番近くにいたロボロと牛沢に言われる。
そう。生徒会メンバー全員が既に出揃っており、皆お菓子やらジュースやらで快適そうに過ごしていたのだ。
『遅くてすいませんね、女は準備するのに時間がかかるんですよ』
ため息混じりに二人にそう言い、グルッペンのエスコートで先頭の空いている席に座る。
「お、Aちゃん俺の隣めうね」
『誰か席変わって』
隣にこいつはヤバイって。何されるかわかんないって。
優雅に紅茶を飲んでいるオスマンに怯える。だってこの人何考えてるかわかんないんだもん。
「…Aちゃんの生足…」
『』
ほら!!!何か変な目で見られてる!!!
と、もう片方の隣に座っていたグルッペンが立ち上がった。
「…コホン。えー、では諸君。今日から夏休みが終わるまでバカンスを楽しもうではないか!!」
全員「おー!!!!」
再びリムジンの中が騒がしくなった。
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名月(プロフ) - 紫さん» ありがとうございます！心の励みになります！(登録しました。) (2020年4月3日 7時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 名月さん» お、おも、面白すぎるッ、神様ッ続きも頑張ってください(≧▽≦)喧嘩が強い女子は好きよ、、、 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 521a219ebb (このIDを非表示/違反報告)
名月 - らぁと。さん» あ、どうも！見に来てくれたんですね、嬉しいっス！！ (2020年3月3日 14時) (レス) id: 49ea14ed6e (このIDを非表示/違反報告)
らぁと。(プロフ) - どもです見に来ました((((誰おま (2020年3月2日 13時) (レス) id: b5de02ae24 (このIDを非表示/違反報告)
名月 - 黒猫さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年2月23日 22時) (レス) id: 49ea14ed6e (このIDを非表示/違反報告)
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