常識を知らない女子高生は我々だとヒジキ組に狙われている【d!】 (ページ27)

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第26話ページ27

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トントンのおかげで予定より早くカレーを煮込むことができた。

『ありがとう、助かったわ。休んでていいよ』

「このぐらい余裕やから。できたらまた呼んで。運ぶの手伝う」

そう言って皆の元へ歩いて行くトントン。

『……優しいな』

気付いたらそんなことを言っていた。

「何が？」

『え？トントン。………ん？』

声が聞こえたから返事をしたが…考え直す。

この声は……

俺は恐る恐る声がした方を見る。

「へぇーあの童貞が優しいんや。へぇー」

なぜか不機嫌なグルッペンがいた。

『…い、いや、ね？手伝ってくれたんだよ？普通、優しいって思うじゃん？』

いるだけで圧を感じる彼に怯える。

こえぇよ。何されるかわかんねぇ…。

「……まぁいい」

いいんだ。

「…あの後、何かあったのか？」

グルッペンの鋭い言葉。

『……何かあると思ったからゾムを送ったんじゃ？』

慎重に聞く。

そうじゃなきゃ俺が元女番長ってバレるからな。

「やはり気付いていたか…」

俺に迫るグルッペン。

『な、何？』

「…怪我は無いか？A」

あぁ、普通に心配してくれてる。

『まぁ、……ゾムに助けてもらったから大丈夫だ』

嘘だが。

「…そうか。ならいい」

グルッペンはもう一度俺を見てからリビングに行った。

何だろう…？まるで俺の心を見られている気分だった。

……本当に注意して接しないとダメだな。

俺はそう思い、再び鍋に視線を移した。

『……うん。良さそうだな。トントーン!手伝ってくれー!』

「今行くー」

トントンに手伝ってもらい、俺達はご飯を食べた。

「Aおかわりー!」

『キヨ、わかったから俺に抱き付くのはやめて…』

「俺も欲しいなぁ」

『ロボロはさっきたくさん食べただろ』

「ん？もっと食えるやろ？」

「ム、ムリ、です…」

「何でAん家来てまで食害されなあかんねん…」

「シッマ、条件が食害だってこと忘れたん？」

『そこは食害すんな』

久し振りにうるさい食事をしたと思う。

静かなのトントンとひとらん、ラーヒー、ガッチさんくらいだぞ…。

あれ、ここに泊まっていくんだっけ。なら風呂も入るってことか。

『…ここは片付けとくから。タオルは洗面台にたくさんあるし、パジャマも探せば出てくると思うから先に風呂に入って来い』

これ以上うるさくなると困るのでさっさと寝せる。

キヨはまだ食うらしいから入らないみたい。

騒ぎながら風呂場に向かう彼らを見て俺は後片付けをした。