常識を知らない女子高生は我々だとヒジキ組に狙われている【d!】 (ページ25)

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第24話ページ25

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聖灰中学は、知ってるだろ？

そうだ。不良校で有名な隣町の中学校だ。

俺の父と母は昔、有名な不良でな？その間に生まれた俺は必然的に…強かった。

強くなってしまったんだ…。

そのせいで俺は聖灰中学の女番長になって暴れていた。

アゲハも俺と同じ中学で不良なんだ。

おう。アゲハも強いぞ。1人で十人のヤンキーを片付けてた。

俺達は有名になったよ。強いからって。よく中学校に別のヤンキー達が来てたな。

まぁ、全員ボコしたけど。

仲間？勿論いた。俺とアゲハを含めて十人の男女が。

ええと、この傷についてだよな。

……あれは、４ヶ月前のことだ。

その時、俺はもう女番長はやっていなかった。

あの日は、雨だった。

いつも一緒に帰るアゲハが１人で帰れると言った。

俺はアゲハなら変な奴が来ても倒せると思い、１人で帰らせてしまった。

それが、ダメだった。

嫌な予感がしてすぐにアゲハを追い掛けた。

雨の中、探しまくったよ。

見つけた時は数十人のヤンキー達がいて、アゲハはボロボロ。おまけにもう１人、ボロボロの奴がいて…。

ヤンキー達を倒している際にナイフを持っていた奴にザックリやられて付いたんだ。この痕は。

全て片付けた後、２人を抱えて病院に行った。

アゲハの傷はそこまで深くなく、命に別状は無いって言ってたからよかったが…問題はもう１人のほうだ。

もう１人は俺らよりも少し年上の男でな？かなり傷が深かった。特に左腕。

脈のすぐ横にナイフが刺さってて…助かるかわからないって…。今、その男がどうしてるのか知らないんだ。

生きていたら、いいな。

俺はゾムを見る。

すると、ゾムが抱き付いていた。

『え、ゾム!？』

「……あの時、助けてくれたのは…Aやった……!!」

『はっ!？何言って…』

「これ…」

ゾムが俺から離れ、左腕を見せてくる。

『…!この傷って…』

間違いなく、あの男のナイフの痕だった。

生きてて、くれた。

わかった瞬間、涙があふれた。

「ちょっ、え、いやだったか？す、すまん、いきなり抱き付いてもうて…!」

霞む視界の中、ゾムが慌てていた。

『ち、ちがう……生きててよかったって……思って、た…だけ、だ…!』

袖で拭っても拭ってもとめどなく流れる俺の涙。

「……ありがとうな、俺を、助けてくれて」

荷物、持つで、と言って俺が持っていた袋を取るゾム。

ゾムはそれ以上何も言わなかった。

それが、俺には嬉しいことだった。