常識を知らない女子高生は我々だとヒジキ組に狙われている【d!】 (ページ3)

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第２話ページ3

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何かの気配を感じて目を開け、席から素早く離れる。

「あ～あ…起きちゃった…」

残念そうに言う彼を見て呆れる。

彼の手には注射器。

皆さん、おわかり頂けただろうか。

そうだ。我らがマッドサイエンティスト、Dr.くられが俺に何かをしようとしたのだ。

アゲハを見ると、申し訳なさそうに笑っている。

きっと、くられ先生に脅されて俺を起こせなかったのだろう。

『……先生、何ですか？その薬は…』

「これはねぇ～常識がわかる薬だよ～」

『そうなんですか。要らないです』

「寝てたから実験体にしようとしてたんだけど…」

自分の生徒を実験体にするような人がよく先生になれたものだ。

『すいませんね、寝ていて』

「次からは気をつけてね」

俺は席に着いて授業に集中する。

そこで俺はようやく女子からの視線が痛いことに気付く。

俺、なんかしたか…？

そういえばどうして理科室にいる…？そして、腹が痛い。

それを考えていると授業が終わっていた。

俺はアゲハに話しかける。

『俺、どうして理科室にいたの？あと、女子からの視線が痛い』

すると、アゲハが苦笑いをした。

「Aが寝てからその、……エーミール先生が理科室に運んだんだ」

『へぇー、エーミール先生が…………は？』

あの人が？だから女子から殺気を感じるんだ…。

『面倒くさくなるぞ……』

その日の午前中は女子(笑)に怯えながら授業に集中した。

昼休み、俺が１番嫌いな時間である。

昼休みを知らせるチャイムが鳴ると俺とアゲハの表情が暗くなる。

それとは対照的にクラス、いや、全学年が騒ぎ出した。

「キャー、来たわよー!」

その声を合図に黄色い声が学校中に鳴り響く。

俺とアゲハは廊下に出た。

本当は教室にいたいのだが、それでは学校中を敵に回すことになるので素直に従おう。

廊下にはたくさんの生徒達。

そのずっと奥から目立つ人達が来た。

そして反対側からも目立つ人達。

あぁ、今日も始まった。

実に面倒くさい喧嘩が。