放送開始 ページ16
──カメラに向かって挨拶してください──
後ろの方にいる運営がカンペを持ってつま先立ちをしている
「えっ、待ってもう始まってるの⁉」
始まっていることに気づいているのか否かわからないらすこーに問いかける。
ら「はっ⁉嘘でしょ⁉」
私達は慌てて挨拶する。
「えぇ!あの、始まりました‼あの、紙芝居を作ろう‼題して‼遊んでわくわく‼」
スタッフが前に来てページが開かれたカンペ帳を渡されたので指定されたページを読み上げた。
ら「いぇーい」
棒読みでそう言い握り拳を軽く上に上げる動作をするらすこー。
私は気にせず早速運営に対する愚痴を漏らす。
「待って、こういうの(読まされたりするのが)あるの聞いてないよ?事前に打ち合わせするか、らすこーに押し付けてよ」
顔をらすこーの方に向けて言う。
ら「あ、そっか、生放送初めてだもんn……っていきなり呼び捨て!!??」
なぜそこに引っ掛かったかは知らないけどとりあえず笑っておく。
ふと備え付けのモニターをを見ると私たちが映されている。そこには数えきれないほどのコメントが流れている。
««はよ進めろ!
««««打ち合わせなかったのかよwww
«««ヨルオリのお面の威圧感半端無い。
ふと目に留まったコメント。今まで触れてこなかったが私は顔バレ防止用にお面を着けている。
そのお面は殺人鬼を彷彿とさせるような白い仮面だけなら良かったのであろう。インパクトを与えようと試行錯誤し、いろいろ取り付けた結果。後ろで留めてあるゴムにはウサギのマスコット。頭には殺人鬼のハズなのに頭から包丁を差し込まれたようなタイプになっているカチューシャを着けている
始末。
私が出た瞬間盛り上がる観客と苦笑する観客に分かれたのもこの見た目の所為だろう。
「まぁ、いいよ。早く紙芝居作ろ。」
生放送が始まった。
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作者名:モブ女子 | 作成日時:2017年4月23日 21時