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必死だった。
なんで、もっと早く気づいてあげられなかったのだろう。
俺は踏みにじってしまった。
彼女の決意を。
強く、かたい、その想いを…。
電話をかけた。
プルルルルル…プルルルルル…
コール音が鳴り続いている。
「はい…」
この声は…
彼女の声だ。
「ごめん…本当にごめん…俺、最低だよな。」
「…」
電話の向こうからは、何も聞こえない。
「君の思いなんて知らずに、自分の事ばっかり…本当にごめん…!」
「…気にしないで」
彼女はそう言った。
「今、どこにいるの?交通事故に遭ったんだろ…?」
「いいよ、大丈夫。」
「駄目だ。」
「何で…」
「だって、俺が、傷つけた…君の想いも、君自体も!」
「いいの!これは、私が決めたことなの…自ら、選んだの…」
「ど、どういう事…?」
「ソラくん…ありがとう…。」
プーップーッ
電話は切れた。
彼女が言ってた、自ら選んだ事。
まさか…
自ら死を選ぼうとしてたのか…?!
・
・
・
翌日、やはり彼女は学校に来ていなかった。
ひとつだけポツンと佇む机と椅子。
俺以外、誰も気づいていないようだった。
「あれ、あのゴミ来てないんだ。」
誰かが言った。
俺は腹が立った。
「お前、今何て言った?!」
身体が勝手に動いていた。
「は?お前アイツのこと好きなの?」
「そうじゃない。ゴミってなんだよ!」
「ウザっ。」
「お前がゴミだろ!!」
クラスがざわめき始めた。
その時、栗田さんと目が合った。
俺は我にかえった。
だが、俺の居場所は無くなっていたと思う。
持ち物はボロボロにされ、机の中身もやられていた。
俺は学校に行けなくなった。
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作者名:やま | 作成日時:2019年9月30日 10時