びいだま【オリジナル】 (ページ20)

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彼にメールを送った。
この前、助けてくれたから、何か言おうと思って。
いい言葉は浮かばない。
でも、私は彼がいなくても大丈夫だと、伝えたかった。
ただの強がりだけど。

メイ((強くなるよ。もう泣かない。

だけど、彼からは何も返信はなかった。
既読すら着いていないようだった。

分かってる。
彼は栗田さんのモノ。私なんか相手にならない。
でも…でも、私の気持ちを分かってほしかった。
「頑張れ」っていってほしかった。
彼なら、ソラくんなら、そうしてくれるんじゃないかって信じてて…

涙がこぼれる。
誰からも必要とされないなら、消えてしまいたい。

もう一度、人生をやり直したい。
可愛く生まれて、性格もおだやかで…

気がついたら外に出ていた。
私は十字路に来ていた。

車の音がする。
私は無意識に前へ進む。
甲高いブレーキの音が聞こえて体の力が抜けていく…

すると、激しい痛みが襲ってきた。
声が出ない、誰か助けて…

遠ざかる意識の中、私の目の前に彼の笑顔が浮かぶ。
話してるとき、ふいに見せるあの笑顔。
楽しかった…
多分、お別れだ。

彼と、

この世界と…