びいだま【オリジナル】 (ページ15)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:2,706 hit

・11 ページ15

「黙れクズ」

私はまた蹴られる。
これも、日常なんだけどね。

「お前さ、目障りなんだけど」

「消えてくれない？」

ガタン！

私の机が倒される。
中身が飛び出る。
そして、また蹴られる…

慣れたのかもしれない。でも、気にしないことは出来ない。
蹴られた背中がズキズキする。
でも、どちらかというと心の方が痛かった。こんな時、彼が来てくれたらと思った。でも彼と私は約束を破った。もう彼は私を助けてはくれない。
彼には、大切にするべき存在があるから。
私はただのクラスメート。
あの日の約束ってなんだったんだろう。
私って、いつも中途半端。何やっても中途半端でさ。勉強だって友達だってなんだってそう。結局かんしゃく持ちがバレてみんな私の手から転げ落ちる。私に手を差し伸べる権利はないんだ。ただ自分の惨めさを感じながらそれを見つめるだけなんだ。

なんか、ばかばかしくなった。学校に行くのが。

家に帰った。
玄関に、チラシが置いてあった。
なんか無性にムカついてチラシを破った。止められなくなった。ムカついてムカついてムカついて…
チラシの残骸を眺めた。
またこの感情に陥る。
自分を殺してしまいたい。自分をやり直したい。生まれ変わりたい。

彼に、好かれたい。
そんな女の子に、なりたい…

泣くなんて、馬鹿だ。自分でムカついといて泣くって。情け無いにもほどがある。私はクズだ。あの女子たちの言う通り。クズ、クズ、クズ…

「ああああああああああああああ！」

ガシャン！！

そしてまた、皿を割る。