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「忘れられないなら、いいんじゃないのかな…」
俺はポツリと言った。
姉さんの事、俺は多分、一生忘れないと思う。本当は忘れたいし、あんな恋はしたくない。
たくさん傷つけて、自分も一生消えない傷を負った。
でも、忘れられないのは、それくらいその人を愛したから、だと思う。
「忘れろ、なんて言わないよ。俺だって忘れない。でも、ひきずるのはやめよう。お互いさ。」
「ありがとう…。」
「俺さ、まだあの子に謝れてないんだ。」
「伝えなさい、想いを。断られたっていい。何度でも伝えなさい。」
俺は頷いた。
ばあちゃんの目には、涙はもうなかった。
俺も歩まなければならない。
過去は消せない。
でも、過去を受け止めなければいけない。
彼女の連絡先を押す。
プルルルルル…プルルルルル…
「はい…。」
「今、会える…?」
「え…?」
「聞いてほしい。想いを。」
「うん…。」
「どこにいる?」
「多分、ソラくん家の近くの海岸。」
「分かった。」
「これで、最後ね。」
そこで電話が切れた。
俺は家を飛び出した。
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作者名:やま | 作成日時:2019年9月30日 10時