試験�� ページ15
「なんだ、着いてくるな」
Aが着いて来ていることに気づいた男は怪訝そうな表情でAにそう言った。
「私もゴール目指してるから」
そう言うと、その男は無言でAを見る。その視線が少し痛かったが、気にせず前を向いて歩いた。
数メートル先を歩く男、Aはその後を一定のスピードでついて行っていたのだが、突然走り出す。
「危ないっ！」
そう言って先を歩いていた男の腕を掴んで引き寄せる。直後、向かおうとしていた場所の地面に大きな穴が開き、底が見えなくなっていた。
「ごめんね、大丈夫だとは思ったんだけど、咄嗟に引っ張っちゃって」
「……別に構わない。が、次は必要ない」
「うん」
Aは素直に返事をして手を離すと、再び前を見て歩き始めた。
しばらく歩くと、今度はAが男に首根っこを掴まれてしまった。まるで猫のように。宙ぶらりんの状態になったAはぱちぱちと目を瞬かせる。
「え、えと…？」
「そのまま進めばトラップがある。ディスクロズ」
男が呪文を唱えると、目の前の隠されていた罠が現れる。男はそのままAの首根っこを掴んだまま罠を回避した。
「ありがとう」
「さっきの借りを返しただけだ」
「そっか、でもありがとう」
男はAから手を離して、再び歩き始めた。それから少し、2人は無事にゴールへと辿り着いた。
「ランス・クラウン。……A・バーンデッド。合格だ」
クロードがAの名前を呼ぶとき一瞬間があったが、何はともあれ合格のようだ。Aが助けて、助けられた男の名前はランスというようだ。Aはランスと呼ばれた男の元へと歩み寄る。
「ランスくん、っていうんだね。改めてありがとう、助けてくれて」
「だから借りを返しただけと言っただろう」
「それでもだよ」
「…………」
ランスはAの言葉に呆れたのか、それ以上は何も言わずに迷路から離れたところに腰掛けた。Aはランスの方を少し見つめてから、迷路の方に視線を戻した。
「マッシュは大丈夫かな」
迷路には罠やゴーレムなど、様々なものが仕掛けられている。マッシュなら大丈夫だとは思うのだが、それでも心配してしまうというのが姉という生き物だ。
「頑張れ、マッシュ」
Aは小さく呟いて、マッシュのことを応援していた。
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hiensou(プロフ) - コメント失礼します、問答無用��の校長が好調になってます (2月29日 7時) (
レス) id: 2759f55d84 (このIDを非表示/違反報告)
イージ(プロフ) - 初コメント失礼します!キャラ一人一人が空回りせずしっかりと成り立っていてとても読みやすく楽しく読ませて頂いてます‼︎プレッシャーになるかもですが続き楽しみにしています‼︎ (8月16日 17時) (レス) @page33 id: f55b6e4bae (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀(プロフ) - 本当にすごく面白いです！これからどのような展開になっていくのか楽しみです。続きお待ちしてます！ (7月31日 4時) (レス) @page1 id: 23f2dced37 (このIDを非表示/違反報告)
ユキラ - 待ってます。 (7月26日 13時) (レス) id: 2a204edd5e (このIDを非表示/違反報告)
ウィムくん(プロフ) - コメント失礼します。はじめまして。小説とても面白かったです！主人公の個性的な設定や，キャラとの関係がどうなっていくか楽しみです。応援してます！ (5月21日 20時) (レス) id: 50aee71dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うがつ | 作成日時：2023年5月7日 20時
