可愛くなる魔法 (ページ6)

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千side

「百、どうかしたのか？戻ってきてから眉間に皺がすごいけど」

「千‥。さっきAちゃんに会ったよ」

A‥。

よく僕と万の歌を聞きにきていた女の子。いや、今は完全に男の子なのか？

万は妹の様に可愛がっていたし、僕だって優しくないって言われていたけど可愛がっていたつもりだ。

百もかなり気にかけていた様だし。

それに僕の名前をいつも綺麗で千ちゃんにぴったりの名前だと、褒めてくれていた。

千ちゃんなんて、あの子しか呼ばない。

「会えたんだ」

「うん‥」

「その割に嬉しくなさそうね」

「それがさ‥」

コンコン

百が話し出すところでノックの音。

「どうぞ」

「「「おはようございます」」」

「あっIDOLiSH7だ～！なんか久しぶりな感じだねっ！」

「さっきみんなでいつぶりだろって話してたんです」

「千さんには撮影で会ってましたけど」

「何、大和くん僕だけじゃ不満？」

「いえ、別に～」

久しぶりの7人との談笑をしていると楽屋にあるモニターの中で歓声が上がる。

「おっ始まったな」

「Re:vareさんは大トリですよね」

「そうそう、待ってる時間めちゃくちゃ長いよ～」

「僕たち中盤でも割と時間ありますからね」

トップバッターは確かAが所属してるグループ「kid look」だったはず。

モニターに目を向けると、照明に照らされて真っ黒な衣装を着た4人組が出てくる。

「わぁ、kkがトップバッターなんだ」

「そーちゃんこのグループ好きだよな」

「へぇ、壮五くんは本当色々と聞くんだね」

「特に花丘千秋さんの歌声が好きで聴いてます」

「あ、この可愛い顔のやつだろ？」

周りの話題が一気にAになると百が複雑な顔になる。

ちょうどさっき何か言いかけていたし、何かあったのだろうか。

「ミツに負けず劣らずの可愛い顔だよな」

「うるせー可愛いって言うな」

「兄さんは可愛いですよ」

「うん！三月は可愛いよ！」

「もうやめてくれ‥」