可愛くなる魔法 (ページ49)

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あれから百くんが多分周りに弁解をしてくれて、顔を利かせてくれているんだろうな、とひしひし感じるほどにはあの記事には触れられない。

あんな提案をされたけど、結局のところ〝そういう〟肩書きなだけで今までと変わらない

強いて言えば百くんの家によくお邪魔するようになったけど、それも何かされてないか聞きたい、という言葉から始まったことで。

リーダー達はこのことについてあまり信じていないようでボロが出ないか警戒はされている。

ちなみに、天くんとの写真はデータごと百くんの目の前で消去させたらしい。

いつもにこにこしてる百くんの怒った顔はきっと怖さ100倍だと思う‥絶対。

「おい、ぼーっとしてるけど大丈夫か？」

「あ、はい。すみません‥」

今日の雑誌の撮影を終えて楽屋に戻るところで楽さんにばったり会ったけど、隠し事があると人は目を見れない。というのは本当らしい。

「なぁ、この前百さんとのこと聞いたよ、本当なのか？」

楽さんの言葉にギョッとする。

まさかここまで話が広がっているとは。

「‥‥あー、そうなんです」

「‥‥そうか、なんかあったら言えよ」

特に深く聞き出すこともなく私の頭をぐしゃり、と撫でると「俺も撮影頑張ってくるか」と話を終わらせてくれた

優しい言葉を掛けてくれても本当は色々思うところもあるんだろうなぁ、なんて、そんなこと思いたくないのに少しだけ人間不信になってしまう

そのまま戻る気にもなれず、近くの自販機へ向かうとふと、聞いたことのある声がする

角から少しだけ見てみるとやはり百くんだ。

「百くんが教えてくれたお店よかったよ～」

「でしょ？あそこお気に入りなんだ」

「今度は一緒にいこうよ～」

そう言うと、彼女は百くんの腕に自分を腕を絡める。
有名なモデルさんだ。

私よりも美人で、スタイルも良くて‥。全て考えることがネガティブへ向かってしまう、前の私みたい、

それでも百くんは私のために自分の恋愛が出来ないのなら私が心苦しい

百くんの周りはきっと魅力的な女性が沢山だと思うから、

これ以上はやめよう、そう思って踵をかえすと「ごめんね、そういうの大事な子がいるからさ、またみんなで行こう？」と、百くんのしっかりした声が聞こえて足を止めた

「え～あのkkの子でしょ？やめなよ～遊んでそうじゃん」