可愛くなる魔法 (ページ15)

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「とりあえず、俺はAちゃんの味方だよ」

「万さ～ん‥」

「ほら、可愛い服買いに行こう」

そう言って万さんが大きな紙袋から取り出したのはピンク色のヴィックと白いワンピース。

「え？」

「ほらほら、着替えておいで」

「まって、万さんこれは？‥はっ！！！もしや万さんの彼女さんの‥」

「ははっ違うよ。会社の後輩の借りてきた」

「え‥それは変な目で見られたんじゃ？」

「女の子の格好に興味なかった幼馴染が女に目覚めてしまって買い物に付き合わされるんだけど、それ用のワンピースとか借りれたりしないかな？って言ってきたよ」

「女に目覚めてしまってって嫌だなぁ‥それにヴィックは？」

「まぁまぁとりあえず早く着替えておいで。ヴィックは難しかったらやってあげるから」

背中を押されて流されているけど、ヴィックは？ヴィックはどこからの？

と、考えながら寝室に入る

結果ヴィックは万さんにつけてもらって、いい感じに馴染ませてもらった。

髪も服も可愛いけど、メイクをしていないためなんだか不恰好だ。

「うん、ワンピースぴったりだね。とりあえずこの眼鏡かけておいて」

「足がすーすーする」

「座るときはちゃんと足閉じてね」

「ゔーー」

ほら、行くよと最初に連れて来られたのは綺麗なマンション。

そこへスタスタ入っていく万さんを追いかけてある部屋の前に止まるとすぐにインターフォンを押す。

「はぁい」と声がして、すぐに扉があいた。

「こんにちは」

「あら、本当に来たのね」

「すみません、時間作ってもらって」

「いいわよ、さぁ入って」

出てきたのは確かTRIGGERのマネージャーさんだ。何度も見たことがあるからわかる。

万さん、どんな関係なの！と脳内はかなり興奮しているけど何食わぬ顔をする。

「こ、こんにちは」

「ふぅん、あんたやっぱり女でいた方がいいわね」

この口ぶりからして私のことは知っているようで、助けを求めて万さんに目線を送るとそれにすぐ気づいてくれる。

「ごめんね、信頼できる人だから色々かいつまんで話してるんだ。姉鷺さんだよ」

「姉鷺カオルよ。初めましてじゃないけど、そうね、あなたがあなたになってからは初めましてね」

「っ！‥初めまして、花丘‥Aです」

「千秋より似合ってるわよその名前」

「あっありがとうございます」

「さっ！早速メイクしちゃいましょ！」