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「ちょっと待って!信じるって言ったら殺さない?」
「場合によっては今ここで撃ちますが。」
「信じよう!うん!だからそれをまずおろして!!」
ちっ、と舌打ちが聞こえたような気がしなくもないが、聞かなかったことにする。
「………で?どうしたの?それが」
彼女が銃をおろしたのを確認し、立っていると疲れるので、僕はさっきまで横たわっていた公園のベンチにこしかけた。
「君島凛さん自身が“ドッペルゲンガー”なんです。…信じます?」
いやいきなりだな。それは信じられる訳がないだろ。
「僕が?ドッペルゲンガー?」
「ええ。厳密に言うと、『限りなくそれに近い状態』にある、ということなのですが…」
僕がドッペルゲンガー…?
「いや、全然解らないです。」
千鶴さんはまた苦笑した。
「これ、説明するの大変なんですよ。一度しか言いませんよ。」
彼女は銃を何処かに仕舞うと、オホンとひとつ咳払いをする。
「うん。」
僕はゴクリと唾を呑んだ。
まさかここから僕の人生が狂い始めるなんて、この時の僕はそれほど思いもしなかっただろうに。
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作者名:ひなたまん | 作成日時:2013年12月23日 13時