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その日の夜、龍友はAに電話をかける。
龍「もしもーし」
「はいよー」
龍「今日はもう帰ってるん」
「ん、今日は夕方で撮影終わって直帰」
龍「どう？そっち」
「んー、1週間経ったらさすがにちょっとホームシック(笑)でも共演者の人たちが優しくしてくれて助かってる」
龍「そっか、ならよかった」
「今日玲於と電話で話したで」
龍「知ってる(笑)」
「あ、そうなん」
龍「みんなでAちゃんのネット記事読んでてん。あいつ1人でさっさと読んで電話してるんやもん(笑)」
やられたわ、と龍友。
「てことは龍友くんも読んだん」
龍「隼が読んでくれた」
「そうなんや」
龍「僕のことも答えてたやん」
「だって聞かれてんもん」
龍「海外では答えていいって知らんかった」
「あ、そう？」
龍「うん。だって僕事前に言われてる取材以外は答えちゃダメって言われてるし」
「私のこと？」
龍「そう」
「私も国内はダメって言われてる。けど海外では好きに答えていいんやってー」
龍「そうなんやー」
「海外やとそれが人気の理由になることも多いからね」
龍「へー」
「ま、そういうことですんで」
龍「変なことは言わんとってな？」
「いや、私のインタビュー読んだやろ？」
龍「読んだ」
「遠距離で寂しがってるんじゃないかって質問に、寂しがって大変です、なんて答えてへんかったやろ？」
ちょっとは褒めて、とA。
龍「それはそうやけどー」
「ちゃんと彼女してるやろ？」
龍「ん、それはいつもしてくれてるで？」
「だから外で変なことは言いません」
龍「中では言うん」
「それはあんたが変なこと言うからやろ(笑)」
すっかり呆れ笑いのAに龍友は続ける。
龍「でも助かってるで？」
「ならよかった」
龍「僕も彼女に甘えてるなんて、友達に言われへんもん」
「やろうなー(笑)別に甘えてないとは思うけど」
龍「でも絶対あいつ全然ちゃうやんってなるやん」
「それは言えてる」
龍「やから、Aちゃんが立ててくれて助かってる」
「それはどうも。じゃあ、もうお風呂入るし切るで？」
龍「テレビ電話しようやー」
「ほんまアホ(笑)」
龍「だってもう1週間も見てへん」
「元はそうやったやん」
龍「もう僕の体は昔には戻れへんねん」
「真面目に言うのやめてもらっていいですか？(笑)」
こうしていつもの調子で電話を終えた2人は、それぞれ眠りについたのだった。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年9月6日 20時
