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龍「忘れるわけないし」
「そっか」
龍「Aちゃんは時々忘れてるけど」
「ん、ごめん(笑)」
龍「あの日はキスしたかったけど、できひんかったけど、今はできるんやもんな」
なんか不思議、と思い出に浸っている龍友。
「別にあの時してくれてよかったで？(笑)」
龍「ん、あん時はほんま、何でキスもしいひんって言ってもうたんやろって後悔してた(笑)」
「そういうとこ律儀やんな(笑)」
龍「言ってしまったからしゃーないやん(笑)」
「今更やけど...あん時はごめんね？」
龍「何が？」
「だって私がハッキリ龍友くんと付き合いたいって言ってたら、グダグダせんくて済んだやん」
龍「でも今付き合ってるやん。それにあの時は...」
何かを言いかけて、龍友は言うのをやめる。
「どうしたん？」
龍「いや...裕太くんと別れてすぐやったやん？」
気まずいのか、Aの顔色を伺いながらそう言う。
「そうやなー...怒らんで聞いてほしいねんけど」
龍「ん？」
「正直あの時、ゆうぴに別れようって言われて、結構凹んでた(笑)もう一生元の関係に戻れへんねやろうなーって思ったし、ゆうぴが私の人生からおらんくなるって...めっちゃ怖かってん」
やから返事できんかった、とA。
龍「勝手やねんって言ってたもんな、Aちゃん」
「ん、ほんま勝手やったで(笑)今から俺の彼女、とか言って付き合い出したくせに、龍友くんに別れたって言ったからって言われるし。それがゆうぴなりの優しさやねんけどな」
Aも思い出に浸っているのか、遠くを見つめながらそう話す。
龍「ぶっちゃけさ...怒らへんから教えてほしいねんけど」
「ん？」
龍「裕太くんと別れて僕とちゃんと付き合うまでの間、裕太くんとしてたん」
「それ聞くん(笑)」
真剣な雰囲気だったので、まさかそんなことを聞かれると思わず、拍子抜けして笑ってしまった。
龍「気になっててんもん(笑)」
「ほんまに怒らん？」
龍「ん、怒らん」
「した、一回だけ」
目が合わせられない様子のAは、心なしか顔を背けている。
龍「やっぱりそうかー(笑)」
あースッキリした、と意外にもあっさりしている龍友。
「ほんまに怒らんのや(笑)」
龍「今更怒れへんやろ(笑)でもずっと気になってたし」
本当にスッキリしたようで、さっきよりも清々しい顔をしていた。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年9月6日 20時
