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義母「姉ちゃん困っとるやろ？ママとパパとホテルに泊まろう？」
弟「いや！絶対りゅーちゃんち行く！」
妹「そんなん言ったって、明日姉ちゃんもりゅーちゃんも仕事って言ってるやん」
弟「りゅーちゃんと姉ちゃんと遊びに来たのに、何でダメなん！」
もうホテルのすぐ側まで来ていると言うのに、そう言ってついに泣き出してしまった。
3泊4日で滞在して、ほとんどを一緒に過ごす予定ではあったが、どうしても2日目だけはAのスケジュールの都合がつかず、朝から夕方まで撮影が入っていた。
明日の夕方からまた来ればいいと言っても、どうしても聞いてくれない。
そんな時、龍友との約束の時間が来て、Aの電話が鳴る。
父「A、電話鳴っとる」
「ん、わかってる...」
ごめん、と少し離れて電話に出る。
「もしもし」
龍「あ、お疲れ。そっちどう？」
「いや、今りっくんがいきなりぐずり出して...」
龍「え、何て？」
「うちに来たいって。明日来たらいいやんって言ってたのに、今日我慢してたんか、いきなり泣き出してん...」
龍「どこにいる？」
とりあえず行く、と龍友が言うので場所を伝えると、すぐ近くにいたらしく5分ほどでやって来た。
龍「りっくーん、めっちゃ泣いてるやん(笑)」
りゅーちゃん来たで、と弟に目線を合わせてしゃがむ。
龍「何で泣いてるん？」
弟「僕はりゅーちゃんちに行きたいのに、ママとパパがダメって...ありちゃんも姉ちゃんもダメって言うと！」
龍「そっかー、みんなにダメって言われて悲しくなったん？」
弟「だって僕、りゅーちゃんちに行くためにお年玉ためたのに...」
龍「そうやんなー？じゃあ、とりあえず部屋に着替え取りに行こうか？今日は一緒に寝ようや。うちおいで？」
誰にも何も言わず、唐突にそんなことを言い出す龍友に、一同は空いた口が塞がらない。
「え、ちょっと」
龍「いいやん。僕明日昼から打ち合わせ行くだけやし、僕が午前中にここにまた来て、お父さん達のとこに戻ったらいいやん」
父「いや、でもAもおらんのに」
義母「そこまでせんでいいよ？」
龍「いや、本当に平気ですよ(笑)りっくんも大きくなったから、僕のこと助けてくれるやろうし」
なぁりっくん？、と言えば、泣き止んで頷く弟。
こうして龍友の独断で、弟を連れて帰ることに。
龍友とAはロビーで弟を待ち、妹夫婦は自分たちの泊まるホテルに帰っていった。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2021年7月7日 17時
