年上彼女と結婚します (ページ28)

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龍「そうですか？」

『僕にはそう聞こえたのですが、何か法的に必要な手続きがあるのでしょうか？』

結婚と言いたいのか、他に何か抱えていると思っているのか、龍友も疲弊してきて思考を巡らせるがいい答えが思い付かない。

「あの...」

『はい』

ここにきてAは助け舟を出そうと口を開く。

「弁護士に会う用があったとしたら、他言できないのが当たり前かと思うんですけども」

『では、会う用はあるということでよろしいですか？』

龍「彼女が言っているのは、それ自体にお答えできないということです」

もう失礼します、と告げ、Aの腰をしっかり抱いて歩き始める。

龍「ごめん、もう少し普通にしてて」

「ん...私は平気」

龍「ほんまごめん...」

本当は今すぐにでもAを抱きしめて安心させたいのに、記者がいる手前ということや2人とも指輪をしていたので、何かの拍子に見えてしまってはいけないと考えてのことだった。

しばらく振り返らずに歩き、2人は通りがかったタクシーを止める。

龍「すいません、中目黒方面に」

龍友が告げた先は自宅方面ではなく、明らかに事務所の方向だった。

龍「こういうことは早い方がいいでしょ」

「ん...そうやね」

龍「ごめん、ほんまに」

油断した、と実は最近よく付けられていることに気付いていたと告げる。

「そうやったん？」

龍「Aちゃんの方にもいたみたいやけど、Aちゃんはマネージャーさん達が基本いるから」

「そっか...」

龍「韓国からも記者が来たりしてるみたい」

「ん、それは聞いてた」

龍「とりあえず事務所行って話そう？」

自宅の場所がもうバレているかもしれないが、できれば今日は追われたくないと思い、一旦事務所へと向かう決断をしたのだった。

龍「ごめんな、家に帰れへんくて」

2人は事務所に着いてすぐに、小さめの会議室を借りた。

「ううん、平気やで」

龍「もう1杯飲めなくなっちゃったな(笑)」

「ん、ほんま(笑)」

それは残念、とA。

流石に時間も遅く、何か対応をしてもらえるようなスタッフがいなかったため、とりあえずコーヒーを飲みながら気を落ち着けることに。

龍「こっちおいで？」

「ん...」

龍友が両手を広げると、Aは躊躇うことなくスッポリと胸元に収まる。

龍「ほんまごめん」

「何で龍友が謝るん？」

龍「だって...」

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