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少し先のこととあって、龍友の母と妹も都合をつけられるということで、思いの外あっさりと決まった。
「なんか、こんな簡単に決まるもんなんかな(笑)」
龍「ほんまやな(笑)」
理解があってありがたいと、お互いの家族に感謝する。
思いの外早く決まったので、もう少し話を進めることに。
龍「Aちゃんはさ」
「ん？」
龍「結婚式とか...したいん？」
「んー、あんま思わないかな」
龍「あ、そうなん？」
「したいん？」
龍「いや、難しいかなって思ってた」
「私もそう思うで？」
落ち着いてからパーティーだけでも、と龍友は考えていたらしいが、Aはしないものだろうと思っていたようだ。
「でも写真は撮りたいな？」
龍「そうやんな」
「一生に一度やしさ」
龍「うん、確かに」
「パーティーとか式とかは、ちょっと恥ずかしい気持ちもあるし、ちょっと今年は厳しいから」
Aのスケジュール上、式の準備をしながらというのは難しく、今は現実味を帯びないらしい。
龍「じゃあ、これに関しては思い立った時にってことにしよか」
「ん、そうやね」
龍「でも写真は撮ろう」
「うん。チビ達も一緒にね」
こうしてまた1つ課題をクリアする。
1時間足らずでここまで決まったので、Aはずっと気になっていた課題を持ちかけることに。
「なぁ、お金のことやねんけど」
龍「ずっと気になってたんやろ(笑)」
ごめんね、と龍友。
「やっぱ一緒に生活するわけやし、お財布問題は解決しときたい」
今までの生活は家賃や光熱費は元々龍友が住んでいた家だったこともあり、龍友持ちになっていた。
他は全て別にしてあり、一緒に買い物に行った時やご飯に行った時は龍友が持っていた。
龍「僕のわがままやねんけど」
「ん？」
龍「生活費はやっぱ男が持つっていう意識があって」
「うん...」
龍「やから、家賃とか光熱費とか...あとは食費も、家族カード作って渡すから、そこから支払ってくれへん？」
ダメ？、と遠慮がちに聞くと、意外にもあっさり承知してくれた。
「でも引越し費用はちゃんと、領収書見せてくれる？」
龍「ん、わかった」
じゃあいいよ、とAは続ける。
「あのさ、めでたい話の時にこんな話ちょっとアレやねんけど」
龍「どうした？」
Aは母親が帰国子女だったこともあり、結婚の際はプレナップという婚約・婚姻における契約書を作るようにと、昔から言われ続けていた。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2021年7月7日 17時
