◇気持ち新たに ページ18
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龍「Aちゃん、風邪引くから向こう行こう？」
おーい、と少し揺すると、パッと目を開ける。
龍「わ」
「あれ？」
龍「え？」
「あ、龍友くんか」
どうしたん、と笑う龍友をよそに、ムクッと起き上がる。
「何か夢見てたんやけど」
龍「やろうな(笑)」
「一瞬で忘れちゃった」
何やったっけ、と言いながら立ち上がると、挨拶だけして寝室へ向かって行った。
___________________
「ん...近い...(笑)」
翌朝目を覚ますと、龍友の腕にしっかりと抱かれていた。
龍「んー...」
唸りながらAにグッと顔を近づける龍友。
「もう...わざとやん」
龍「バレた...？」
掠れた声で言えば、どちらからともなく唇を重ねる。
龍「んー...よく寝た」
「おはよ」
龍「おはよう」
「昨日はごめんね？」
龍「全然平気やで。めっちゃ片付けてくれてたやん」
ありがとう、と抱き寄せられ、胸元にスッポリと収まる。
「話しながらやってたらあっという間やった」
龍「そっか。よかった」
助かった、と龍友。
「んー...もう少し寝たいけど」
龍「でももう起きる時間やで」
そう言っている間に、アラームの音が聞こえる。
「あー、ほんまやー」
やだー、と言いながら龍友の胸元に顔を埋める。
龍「起きてやー(笑)」
「わかってんねんけど、眠いんやん(笑)」
あったかいし、と猫のように顔を擦り寄せる。
龍「くすぐったいねんけどー」
「それ前に裕太にも言われたー」
龍「まさか裕太くんと、この気持ちを共有するとは思わなかった(笑)」
ほら起きよう、と龍友はベッドから降りると、Aの両手を取る。
「あ」
龍「ん？」
「いや、何か」
龍「どうした？」
「初めてここに来た時のこと思い出した」
懐かしい、と龍友に手を引かれ起き上がる。
龍「住み始めた日ってこと？」
「そうじゃなくて、付き合う前の話」
龍「あー、Aちゃんが酔っ払っちゃった時か(笑)」
懐かしいな、と龍友も思い出に浸っている様子。
「あの時は、こんな朝が来るなんて思ってもなかったなー」
龍「付き合うとも思ってなかったやろ(笑)」
「ん、まさに(笑)」
こうして2人はリビングで犬たちを膝に乗せながら、軽い朝食を食べる。
「龍友くんと朝ごはん食べたのも思い出した」
龍「今まで忘れてたん？(笑)」
「そういうわけちゃうねんけど(笑)」
鮮明に思い出した、とA。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2021年7月7日 17時
