年上彼女と結婚します (ページ13)

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「んー、おいしい」

やばい、と幸せそうなAを見て、板前も嬉しそうにしている。

『すごく美味しそうに食べてくださいますね(笑)』

「本当に美味しいので(笑)」

『そんなに喜んでくださるなら本望です(笑)』

龍「ほんまに何でも美味しそうに食べるんですよ(笑)」

「食いしん坊みたいやからやめて(笑)」

恥ずかしい、とA。

『新婚さんですか？』

指輪が見えたからか、板前にそんな質問を投げかけられる。

「あ、いえ...」

龍「婚約中かな？」

な？、と怖いものなしの龍友にタジタジのA。

板前も何か察したのか、あまり声を大きくせず話を続ける。

龍「板さんは結婚されてるんですか？」

『僕は今が2回目の結婚です...(笑)』

お恥ずかしながら、と続ける。

『今3年過ぎたところですね。少し新婚気分が抜けてきたというか(笑)』

龍「そうなんですねー...奥さんのどこが決め手だったんですか？」

『笑顔を守りたいと思ったのがでかいですかねー』

龍「あー、わかる」

うちも一緒やん、とAに話を振るが照れ臭そう。

『お付き合いはどれくらいですか？』

「ちょうど2年くらいです」

龍「ほんまもうすぐやなー」

『僕も今の嫁さんはそれくらいで結婚しましたよ。最初の嫁さんは...学生時代から7年くらい付き合って結婚しましたね』

別れちゃったけど、と苦笑いを見せる。

『お2人はすごく仲の良さが伝わって、お似合いですね』

龍「よく言われるんですよー(笑)」

「調子に乗らないで(笑)」

少しお酒も入っていたからか、戯けて見せる龍友。

こうして2人は楽しく夕飯を済ませて店を出た。

時間も時間だったので、呼んでもらったタクシーにそのまま乗り込む。

もちろんタクシーの中でもしっかりと手は握られている。

「ごちそうさまでした」

龍「どういたしまして」

「いつもありがとう」

龍「こちらこそありがとう」

そんな会話をしていると、運転手が仲の良さが気になったのか話しかけてくる。

今日はよく話しかけられる日だと、Aは人見知りを発揮して緊張している様子。

『まだ付き合いたてですか？』

龍「いや、もう2年経ちますね」

『付き合いたてみたいに仲良さそうだったので(笑)」

龍「よく言われるんですよー(笑)」

龍友がまたそういえば、やめてや、とA。

『今時の方達は、そうやって仲良さげにしても様になりますね(笑)』

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