年上彼女と結婚します (ページ11)

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忙しい2人なので内見に行った物件の数も少なく、この部屋に至っては入居をその場で決めていたので、その時にどこに何を置くかなどもある程度考えていた。

「こんな広かったっけ」

龍「僕もそれちょっと思った」

「自分の部屋できるのも嬉しいなー」

龍「でも籠るのはやめてな？(笑)」

寂しいから、と後ろから抱きつく龍友。

「龍友くんこそね？」

龍「僕はそんなにじゃない？」

「そう？」

龍「歌詞書いたりする時かな」

「他にもあるんちゃう？」

龍「えー、どんな時？」

「コソコソしたいこともあるやろ？(笑)」

怪しい動画とか、と言うと、やめてや、と龍友。

龍「何でバレてるん(笑)」

「やっぱ見てるやん(笑)」

いいけど、と龍友の手を解くと、行こう、とその手を引いた。

こうして2人は新居を後にした。

まだ少し明るいので近所を歩いてみようと、そのまま手を取り合い歩き出す。

龍「あ」

「ん？」

龍「今日は指輪つけてる」

Aはプロポーズを受けたあの日から、仕事ばかりの日々だったので、結局ほとんど指輪を付けずに過ごしていた。

「今日はもう仕事ないし、いいかなって」

龍「嬉しい」

「せっかくもらったから、本当はずっと付けたいねんけど...」

バレてもあかんし、と複雑な表情を浮かべる。

龍「そうやんな」

わかってるから大丈夫、と龍友は道端というのに頭を撫でる。

「もう、人おるけん(笑)」

龍「ごめん(笑)」

こうしてスーパーの場所などを少し確認して、通りがかったタクシーに乗り込んだ。

「何か全部高級ですな...」

やって来たのは高めの百貨店に入っている高級家具店。

AはてっきりI●EAのようなところに行くと思い込んでいたらしい。

龍「どうしてもベッドだけはここで買いたくて」

目星を付けていた物があるようで、店員に頼んで案内してもらう。

『こちらでございます』

目の前にあるのはクイーンサイズのベッド。

ホテルでも使用されているラインで、展示してあるマットレスは1番いい物らしい。

「ほう...」

龍「これって納品に時間かかりますか？」

できれば引越しの日に...、と単納期での提案を持ちかけると、意外にも今ちょうどすぐに準備できる状態だという。

龍「聞いてる？(笑)」

どこ行ってるん、と意識が遠のいているAの顔を覗き込む。

「あ、ごめん(笑)」

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