(Ⅹ)年上彼女と同棲する方法 (ページ25)

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嵐の夜にページ25

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帰国して数日後、Aは約束通り裕太の彼女と飲みに来ていた。

『Aさん！』

「シロちゃん久しぶり！」

『久しぶりですね！さ、今日はとことん飲みましょう(笑)』

「張り切ってんなー(笑)」

待ち合わせて早々に張り切る姿を、Aは微笑ましそうに眺めた。

2人は早速予約していた店へと入った。

「今日は私が奢りますから、好きなだけ食べて、好きなだけ愚痴ってな(笑)」

『じゃあ...お言葉に甘えて(笑)』

「「かんぱーい」」

こうして2人きりでは初の飲みの席が始まった。

『早速聞いてもらっていいですか？』

「もちろん。いくらでも聞くで？」

そのために来たんやん、と言えば、普段おっとりしている姿からは想像がつかないくらいの愚痴が溢れ出す。

裕太の彼女はジェネの専属ヘアメイクとして配属されていたが、今は個々の仕事も格段に増えたことと、若干の人手不足もあってグループの垣根を超えている。

タレント達とはいつもうまくやっていけるらしいが、1人どうしても彼女を目の敵にしている人がいるらしい。

その人のせいであらぬ噂を吹き込まれたり、上層部に嫌われるように仕向けようとしたりされて、かなり迷惑しているという。

「ゆうぴには話した？」

『Aさんが私なら、龍友くんに話しますか？』

「そう言われると...」

話さないね、と納得する。

『向こうの言うことを信じてる人達は半々か信じてない方が多いってとこなんですけど、どういうわけか裕太との関係もバレてるみたいで』

「バレたらまずい？」

『まずくはないけど...その人が確証を得ちゃったら...』

想像つくでしょ、と言われれば、笑いも出てこない。

「上に相談は？」

『上もデタラメ言ってるってことに気付き始めてはいるみたいなんですけど』

「こっちが先に手を打たんと、調子乗るんちゃう？」

てかどいつやろ、と会ったことがないか思い出そうとする。

こうして裕太の彼女の愚痴と相談を聞きながら飲んでいれば、1軒目を出て行かなければいけない時間になった。

『次、行っきましょーっ！』

「ちょ、シロちゃん！」

声でかいって、となんとか腕を掴みながら制止する。

『次！次いきましょ！次は私奢りますっ！』

完全に出来上がり始めているのを理解しつつも、もう一軒行ってダメそうだったら、自分のマンションに連れて帰ろうと考えていた。

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