__甘い長い夜__ ページ20
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虚ろな目付きのAに、何度も何度も同じようにキスを重ねた。
「んっ...もっと」
Aは龍友のキスを逃さぬように、そっと舌を絡めた。
龍「悪い子」
「龍友もな？」
唇が離れて、近距離で見つめ合う。
龍「どんなお仕置きしようか？」
龍友が挑発的にそう言えば、ゆっくりと手が内腿を這った。
「その手やめて」
龍「何で？」
「嫌やから」
龍「何が嫌なん？」
「嫌なの...」
龍「したくないん？」
じゃあやめよっか、と龍友は体を離して寝室に行ってしまった。
「もう...」
龍友が意地悪していることに気付いているAは、わざと戸締りなどを確認したり、洗濯物を明日すぐに回せるようにしたりと、時間を稼ぐことにした。
龍「何してるん...」
キッチンのゴミの片付けなどを済ませて、そろそろ寝室に行こうかと電気のスイッチに手をかけた時、痺れを切らした龍友がリビングに戻ってきた。
「寝る前にしときたいことあったから」
龍「そっか」
「もう寝るで？」
そう言ってリビングの電気を消せば、辺りは真っ暗になった。
寝室はすぐそこにあるというのに、龍友に腕を掴まれて動くことができない。
「危ないって...」
龍「うるさい」
そう言うと龍友は壁の方に追いやって、Aを両腕で囲うとゆっくりと口付ける。
物音もない暗い部屋で、2人が唇を重ねる音だけが鳴り響く。
「んっ...」
龍「ほんな悪い子やなぁ...」
龍友はそう言うと、暗い部屋でも見えるくらいの近距離でそっとAを見つめる。
龍「僕の焦らし台無しやん」
負けを認める笑みを浮かべると、Aを抱き抱えてそのままベッドに移動する。
「ん...龍友くん...」
龍「もう待てへんよ？」
誰のせいだっけ、とAに覆い被さって、身体中に唇を這わせた。
「あっ...龍友」
胸の先端を這うその舌に、Aは思わず声を漏らす。
龍「真っ暗も興奮するんちゃう？」
「違う...」
龍「何が違うん」
龍友がそう言えば、胸の下の方に痛みを感じた。
「またするし...」
龍「Aがさせてんねん」
不意の呼び捨てにまだ慣れないAは言葉を失ってしまう。
気付けば2人とも生まれたままの姿で体を重ねていた。
「ん...龍友くん...」
龍「ここやろ？」
わざと違う場所を指で刺激すれば、縋るようなAの姿にもう理性など働いていない。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2020年4月17日 23時
