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Aの一時帰国期間を終えて、また韓国に向かう時がやってきた。
龍「忘れ物ない？」
「ん、大丈夫」
龍「もう行ける？」
「ん、もう車来る」
龍「じゃあ行こっか」
「そやね」
2人はマンションの下に降りると、早速車に乗り込んだ。
「遅くなっちゃったね」
龍「やなー」
「大丈夫？」
龍「何が？」
「疲れてるかなって。夜遅いし」
龍「平気やで」
ありがとう、と頭を撫でれば、マネージャー陣は呆れ気味の様子。
この日龍友はAのスケジュールに合わせて、一緒に韓国に渡ることにしていた。
韓国で最近始まった様々な恋愛について語るトーク番組に、2人でサプライズゲストとしての出演が決まっていたこともあってのこと。
Aは映画の撮影でまた韓国に戻ってくることは知られてはいたが、もちろん龍友が韓国に来ることは知られているはずがない。
事務所は細心の注意を払って、当初は別便で手配していたものの、忙しい2人は予定通りにはいかず同じ便になってしまった。
それでも席は離れ離れにしてあり、別々の車に乗って滞在先に向かうよう手配済みだったので、シナリオは完璧な予定だった。
しかも、ギリギリで便を変えたりしていた上に深夜便ということもあり、記者は誰も来ないのではないかとすら思っていた。
「じゃああとでね」
龍「ん、あとで」
車の中で別れ、同じ便の別々の席に座り、滞りなく韓国へと到着した。
預けた荷物を受け取り、早速到着口へと向かおうとした時、Aのマネージャーが外にいる別のスタッフに確認の電話を入れた。
いつもなら、じゃあ行きますね、くらいで終わる電話がなぜか終わらず、マネージャーの顔付きが険しくなっていくのがわかった。
「どうしたん？」
人目につきにくい場所にいたAは、マネージャーに話しかける。
『なんか記者の人がいるらしいんですけど...どうやら日本からも数組来ちゃってるらしくて」
「え、何で日本の記者が来るん」
『フライト情報が漏れてるとしか...』
急いで別の場所で待機していた龍友のマネージャーに連絡を取り、結局合流することになってしまった。
龍「そんなにいるんですか」
『結構いるみたいです』
龍「でももう時間も遅いし...」
「このままここにいても...なぁ？」
Aのマネージャーと龍友とAの3人で話し合いが進み、龍友のマネージャーと残り数人のスタッフは、どうしていいかわからないという状態だった。
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2020年4月17日 23時
