【HQ/主将組】オ オ カ ミ 教 育 。

30. 心理戦 ページ30

*




男に連れられて みんなが
部屋に入ってきた。

会えた喜びと複雑な思いが入り混じる。




男「みなさんはこれをつけてください」

木兎「…なんだよ これ」




腕輪のようなものを
不思議そうに光太郎が見た。

あの腕輪が何かを私は知っている。




「ダメｯ、つけちゃダメ!!」




静かな部屋に私の叫び声が
響いて また静かになった。

男が私のほうを睨みつける。




男「余計なことは言わないでください」

「言いますよ、言わないわけがない」

男「どうなっても知りませんよ?」

「…ご自由にどうぞ」




男がゆっくりと近づいてきて
体が強張るのを感じた。

ナイフを取り出す男を見て
鉄朗が私に近づこうとする。




男「来たら 刺しますから」




その言葉に 鉄朗がピタリと
動きを止めて後ろに下がる。

ナイフが目の前に差し出された。




男「次 何か言ったら刺しますよ」

「人質が使い物にならなくなりますけど」

男「ははｯ、それもそうですね」




どうすれば全員で逃げられるか、の
答えが見つからずどうにもできない。

私は自信たっぷりに笑ってみせた。




*

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