【HQ/主将組】オ オ カ ミ 教 育 。

26. 土曜日と若利 ページ26

*




「わｯ… うお、痛い」




花壇で花の手入れをしていたら
小さな石につまずいた。

誰もいないのに恥ずかしい。




「大丈夫か」




急いで立ち上がると
背後から声がする。

驚いて 勢いよく振り向いたら
ホースで水ををかけてしまった。




「うわ、若利 ごめん!!」

牛島「問題ない」

「あー 本当ごめん、これタオル」




若利はタオルを受け取ると
シャツを豪快に脱ぎだした。

腹筋バキバキだ、とか
思いながらハッとする。




「着替え持ってこないと!!」

牛島「このままでいるから大丈夫だ」

「大丈夫じゃないよ、風邪ひくじゃん」




着替えを取りに行こうとしたら
若利に腕を掴まれた。

ジッと見つめられて顔をそらす。




牛島「1人で行かせるわけにはいかない」

「すぐそこだから」

牛島「いや、俺も行く」

「…そう? じゃあ行こっか」

牛島「ほら、背中に乗れ」

「えｯ」




膝から血が出てる、と
若利が指を指す。

このくらい大丈夫なのに。




「いいよ、痛くないし」

牛島「俺がAをおんぶしたいだけだ」




そんなこと言われたら
嬉しいし断れない。

若利におんぶしてもらって
館の中を歩いた。

私と若利の金曜日。




*

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