91日目の朝 [91days] (ページ16)

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Day12.(前編) ページ16

「朝だ。」

この街を覆っていた黒に光が差し込む。朝日が昇ってきたのだ。

「バルベロ…」

カチャリ

目の前に銃を突きつけられる。

「…もう銃口を向けられるのに慣れちゃいそうだよ」

「…今回のこと分かるように説明してくれ」

バルベロの顔に疲労の色が見える。

「アヴィリオ、本名アンジェロ･ラグーザは七年前にヴィンセントに家族を殺されたの、両親と弟を。
ラグーザ家にヴィンセントとネロとヴァンノとガンゾが来た。アンジェロだけはなんとか逃げ出せたけどほかは全滅。逃げ出してからはスリとかして生き延びてたみたい。
そんな彼の元に一通の手紙が届いたの。差出人は父親の親友から。七年前、家族を殺した相手の名前が記されていて、復讐を手伝うって内容。
それで彼はコルテオのとこに来て協力を求めたみたい。その後ヴィンセントファミリーに近づいてまずはヴァンノを殺した。
で、その手紙の差出人はガンゾで、彼はヴィンセントファミリーをガラッシアに売るつもりで利用してたって訳。」

「アヴィリオについて聞いているんじゃない、お前の話をしろ。」

「…本名はジェーン･ラグーザ。最初はラグーザの名字が頭の中で引っかかってたの。
それでアヴィリオと話してて思い出した。あの手紙はたまたまアヴィリオが落とした時に読んじゃったんだよね。だからほんとに全てがまぐれだった。」

私は彼の銃を握りこめかみへと持っていく。彼はヴィンセントファミリーを愛していた、ネロを主として。

「最後に一つだけ、兄さんはネロを殺せない。ネロは生きてるよ」
とだけ言って目を閉じる。

バルベロは引き金を引いた。