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名前《シトロン》 ページ9
「あ、A〜〜」
突然名前で呼ばれて驚きつつも返事をする。彼はいつもと変わらずニッコリしている。
「シトロンさん。急に名前呼んでどうしたんですか？」
「oh,愛しい人のことは名前で呼ぶって聞いたヨ。だからAって呼ぶことにするヨ〜」
誰の入れ知恵だろうと、予測させるが思い当たる人物が多くてなかなか絞れない。そんなこと無駄だという風に犯人が焦ったように自ら現れる。
「ロンロン〜それは抜けがけってやつじゃーん？」
「俺だってまだ呼んでないのに…」
無駄に真澄くんまで釣れたみたいだが犯人は一成くんの模様。
「一成くん、変なこと吹き込むのは…」
「違うよん！俺はただ好きな人のことは名字より名前で呼びたいよねって言っただけで…ちなみに俺も監督ちゃんのこと名前で呼びたいな〜って」
華麗にウィンクを決めてくるが飛んできたハートを床に叩きつける。
「嘘じゃないヨ〜！」
と言って手を握られる。
そして耳元で
「私は本気だよ」
と流暢な日本語で囁かれる。バッと耳を隠すといつも通りの笑い声が聞こえる。
「え、ロンロン何言ったの？？監督ちゃん真っ赤じゃーん、え、ちょっとぉ！？」
「……許さない。」
「か、からかうのもいい加減にしなさーーい！！」
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作者名：上田 | 作成日時：2017年2月28日 11時
