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本気《天馬》 ページ11
「あ、これ天馬くんだ！！」
談話室ですることもなくテレビを見てみるとたまたま天馬くんの出てるドラマだったらしく画面の向こう側の彼を見つけた。
「いやぁ、やっぱり本当に役者なんだな…」
「当たり前だろ」
振り向くといつの間にかいた彼が鼻高そうにドヤ顔して仁王立ちしている。
「サインいるか？」
「それはいらないかな」
そんな冗談を交わしつつテレビに夢中になる。画面の奥の彼は男らしく演技だとわかっても少しドキッとしたり、なんて。
「でも目の前で人に見られてると恥ずかしくならない？」
「監督は恥ずかしいのか？」
「うーん、目の前でガン見されたらちょっとね」
「俺は常に全力の演技をしてるから恥ずかしくない。」
そう言い切る彼の目はキラキラ輝いていて自信に満ちている。そっか、彼はただの天才じゃなくて努力家でそれでいて演技が好きなんだ。
「なんだよ。」
尊敬の意を込めて彼を見つめていると彼は恥ずかしそうに口を尖らせる。自分の隣をぽんぽんと叩けば彼は隣に座った。
「私天馬くんのそういうとこ好きだなって。」
さぁて！天馬くんの演技でも見て彼に負けぬように勉強しよう！！
「ばっ、おま、何…！！？…って聞いてねぇし！！」
こっちの気も知らずに…いつかぜってー演技じゃなくて振り向かす…！
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作者名：上田 | 作成日時：2017年2月28日 11時
