贈り物 《真澄》 ページ1
「…これ。」
普段は無愛想な彼から渡されたのは縦長のケースだった。突然のプレゼントに困惑する。
「ええと…」
「アンタこないだお気に入りの壊れて落ち込んでただろ」
つい先日キラキラとして落ち着いているお気に入りのネックレスが壊れてしまったのを彼は見ていたのだろうか。確かにあれは相当気に入っていたのもありなかなかに落ち込んではいた。
もらったケースを開けると以前付けていたものの色違いのネックレスがそこにあった。
「ごめん、探したんだけどあの色だけなくて…」
申し訳なさそうにシュンとする彼。まるで耳の垂れた犬のようだ。
深い青に黄色いキラキラの入ったそれは彼がくれたという贔屓目もあるのか以前のものより断然気に入った。
「ううん…ありがとう！！前のよりこっちの方が私は好きかも！」
「ほんと…？…アンタが喜んでくれるならいい。」
「うん！あ、じゃあお礼させて！なにか欲しいものとかある？」
「アンタ」
ほんとにブレないなこの子…。
「ほ、ほかに…」
「…じゃあ１日でいいからデートして」
「うーーん…2人でお出かけならいいよ。」
「！！わかった。…楽しみにしてる」
そう優しく微笑む彼。顔に大きな変化がある訳では無いが目に見えない尻尾を振ってる姿が想像つくくらいには喜んでることがわかる。それに微笑む姿がとても綺麗でほんとに顔立ちは整っていて様になるなぁ、なんて。
(…ってところをぼく、見ちゃったんですよ…！！)
(むっくんそれちょーうらやま〜！てかてかますみんチョーー積極的じゃーん。ネックレスの意味とか、監督ちゃん知らなさそうだけど、色的に完全そういう意味だよね〜)
(でも本物の王子様みたい…すごいなぁ。ネックレスを贈る意味って、"あなたを束縛したい"でしたっけ？)
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作者名：上田 | 作成日時：2017年2月28日 11時
