5話目-朝食 ページ6
朝目覚め支度をしているとドンドンと扉が叩かれた。
開くと栗色の髪をぴょんぴょん跳ねさせている男と豚のバッチをつけたニット帽をかぶっている男がドアの前に立っていた。
コネシマとシャオロンだ。
「今から朝飯行くんやけど一緒にいこーや!」
「了。直ちに準備完了させます。」
食堂につくと人はまばらで食事を終えた人もいればこれからとる人もいる。
バイキング制度らしく自分で選択できるようだ。
私はパンとサラダと魚。
バランスの良い食事を選択した。
二人の食事は私の三倍ほどあり朝からよくそんな量食べれるものだと感心する。
「そんなんで足りるん??」
「…これが一般的量だと把握しています。」
まさかこちらが心配されるとは…。
二人にはどこまで記憶があるのかを聞かれた。
確かに自分でも確認をしなかったから良い機会ではあったが見事に記憶は全滅していた。
「…見事に全部やな。」
「知識は正確なはずですが。」
「喋り方も少し変わっとるもんなぁ。」
「不明。間違いなら指摘受けたいです。」
「間違ってるっていうか…んー、まあそのままでも通じるしええんちゃう?」
シャオロンはそう言って笑った。
「つーか、なんも知らんここにおってなんも不安にならんの?」
サンドイッチにかぶりつくコネシマ。
「否。名を与えた者が主人。これが世の理。主人に使えるのに感情は不必要です。」
と言うと2人は眉をひそめた。
どうやら納得のいかないようで。
そんな顔されてもそういう風に体が認識しているのだから仕方がない。
しかし主人について知っておくべきではあるなと思った。
「2人にとってグルッペンという男はどういう男ですか?」
2人は互いに顔を見合わせたあとぷっと吹き出し、
「グルッペンかぁ〜、あいつは怖いよなぁ。」
「ほんま!まぁでも統率力って言うん?あれにおいてはずば抜けとるよなぁ。」
どうやら二人はなんだかんだ言って彼を慕っているようだ。
「あ、そうだ。トントンのとこ行けばええんちゃう?きっと何でも教えてくれんで!」
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作者名:上田 | 作成日時:2017年1月27日 10時