番外編-惚気 ページ42
「そういえばさ、散々イチャついてる割にはAの片思い感すごない?」
昼食時、向かいの席に座ってたシャオロンが言った。
「え、そう?」
確かにスキンシップは激しいほうだと自覚してるがトントンが私を嫌いだとは思わない。
「…惚気聞きたいん?」
トントンが意地の悪そうな笑いをした。
…やばい。こっちに飛んでくる。
そう思った時には時すでに遅し。
逃げようと思ったが首根っこを掴まれ身動きが取れなかった。
「こいつ、くそかわええねん。
まず、朝絶対起こしに来てくれるやろ。朝イチで恋人に起こされることほど幸せなもんないで。そいでな、こいついつもベタベタなんは自信家に見えていっつも不安がってるんよな。俺もちゃんと好きなのに。あと、ほら。こいつあんなスキンシップすごいのに俺から褒めはじめると意気消沈しちゃうとこかわええやろ?」
トントンの口からペラペラと言葉がはずがしげもなく出てくる。
Aは手で顔を隠しているが耳まで真っ赤なのが見て取れる。
「うへぇ…ごちそーさんですわ〜…。
そーゆー甘すぎるんはマンちゃんの担当ちゃうん〜?」
シャオロンがオスマンの方を向いて言うと
「俺の甘いは甘味の話でそっちは担当外やねーん」と笑う。
なんでもいいからこの場から逃げたい…!!そぉーっと逃げ出そうとする私の襟首をガッと掴むトントン。
「どこ行くねん」
「よ、用事…あったかも…って」
「ほぅ?じゃあ送り届けたるよ。じゃあなシャオさん」
「あー…ご愁傷さまで。」
「シャオニキの馬鹿ぁぁぁ…!!」
彼女の声はどんどんと遠くなっていった。
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作者名:上田 | 作成日時:2017年1月27日 10時