検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,016 hit

番外編-洋服 ページ38

以前オスマンとひとらんらんに買ってもらった服。記憶戻るまでは来たことなかったがせっかくだしと思い、着替える。
飾りすぎなくて、それでいて可愛らしさを兼ね備えている。やはり彼らのセンスはいいな。


「あれ、やっと着てくれたん?」
とオスマンと出会った。私が彼らの選んだ服を着てるのがすぐにわかったのだろう。

「そう!ごめんね、あの時は着れなくて」

「ほんまや〜超寂しがったんやで?」

彼は可愛く言うが、

「あはは。思ってもないくせに」

「相変わらずの辛口やんな」

「…もう元通りだから!ありがとね。」

そういうと優しげに微笑んで頭をクシャとなでられた。



「あ、着てる」

続いて狙ったかのようにひとらんらんに出くわす。

「さっきマンちゃんにAに会ってみって言われたんだけど、こういうことだったのね」

「らんらんもありがとね!」

「いーよ。いつも畑仕事手伝ってもらってるし。」

「いつでも手伝うから!…あ!でもこの服ではやらないよ!」

「それがいいね。せっかくの服だから。トントンでも…あ、いや…それでトントンには会わない方がいいかもね。」

「…そうやね。」

ひとらんらんの顔がいきなりひきつる。
自分の背後から聞き覚えのある声がする。

「トンちゃん!」

「それ、どうしたん?」

私の服を指さすトントン。

「これ?マンちゃんとらんらんがね、買ってくれたの。」

「へぇ…?」

ひとらんらんは目を逸らして一歩後ずさる。


あ、そういうことか。


「うん!トンちゃんがね、私に冷たくするからかわいそうに思ったらんらんとマンちゃんが買ってくれたの。トンちゃんが悪魔とか裏切り者とか言って私をいじめて来るから、かわいそうに思ったふたりが」

「わ、わかった!それはすまんて…」

トントンが先に根を上げた。
私はひとらんらんの方を向きニコッと微笑む。意図を汲み取ったのかふっとほほえむ。マスクをずらし「助かった」と言った…ような気がする。


苦々しい顔をする愛しの彼を見て
「今度は一緒に買い物行こうね!」
と言って小指を結んだ。


これからは今までできなかったことなんでも一緒に出来るよ!

番外編-純白→←おまけの話(後編)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:上田 | 作成日時:2017年1月27日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。