優しさに溢れてるやろが【１】 ページ1
「あぁー…しんど……」
寝苦しいほどの息遣いに目を覚ました。
最悪の目覚めだ
明日の朝練何だっけと熱を持った頭で考える
何だっけから考えが進まない事から、
相当参ってるんだろうと自分でも理解できる。
上にはいびきを掻いて寝ている片割れがいる
無性にイライラした。
下から蹴ってやろうかとも思ったが、
足をあげる気力が無かったので
明日の朝までには治ってますようにと
願いながら目を瞑った。
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……
アラームの音がやけにうるさい
起きたくない。が、
グゥぅぅぅぅ……
俺の腹は緊張感が無いようで、
余裕で起きて飯を食えと訴える。
それが1番辛いことを俺の腹は分かってくれない。
重い体を起こしふらふらとリビングに行く
いつもより少しだけゆっくり食べる白米が
喉に突っかかる感覚がするが、
気にしないフリをしてご飯を喉に流し込んだ
ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ……ﾄﾞﾝ!!
「サムお前起こせや！！」
今日も家を出る時間ギリギリに侑が起きてきた
自分より少し高い声がやけに頭に響く
「あのアラームで起きんのが悪い」
声の張本人は「ご飯食うてる余裕無いやん！！」とかうだうだ言いながら顔を洗いに行った
家を出て学校に行く通路を歩いている時は
なかなかのフラフラ具合だったが
眠いという事で誤魔化した
「そんなんだとまた北さんに怒られんで」
北さんには隠し事してもすぐにばれる
ここまできたら帰る訳にはいかない。
こんな時に限って今日のメニューは
ランメニューが多めだった
いつも通り侑と先頭で張り合っている
足が重い。息がしずらい。冷や汗が止まらない
足も頭もとうに限界だが弱っていても、
侑には負けたくなかった
後と大きく離れた頃
いきなり侑が足を緩めた。
それに釣られて俺も脚を止める
「なんやツム、疲れたんか」
「なぁサム」
「お前体調悪いやろ」
「…はぁ？」
バレる要素あったか？？？
「悪うないし」
「嘘つくなや」
足ガクガクやないか。と言われ自分の足を見ると
確かになぜ立っていられるのか不思議なほどだった
これはあれだ。産まれたての小鹿ってやつだ。
そうなぜか冷静に考えた瞬間、一気に足の力が抜けて
ｶﾞｸﾝと自分の体が揺れた。
─────と言うか落ちた
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作者名：うどん。 | 作成日時：2022年3月30日 3時
