winter playlist (ページ9)

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オレンジ色の冬ページ9

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服よし、今日もかっこいい。

香水よし、キツすぎんようにせな。

リュックよし、財布の中は？お金よし。

歯に何も挟まってへんな…？？よし。

あ、リップ塗ってへん。…よし。

あとは、電気消した、窓の鍵消した、鍵も持った、…よし。

Aちゃんにあげるプレゼント…よし！

「行ってきまー！」

ルンルンで走ってる最中に申し訳ない

どうも！みんなの万能調味料こと、塩麹よりも向井康二でーす！

最近、俺に人生初彼女ができてん。

渡辺 Aちゃん。めっちゃ可愛い。

馴れ初めから話し出したら長なるからやめとくけど、

今日は二人とも人生初のクリスマスデート。

今まで何回かデートはしたことあるけど、
クリスマスにデートは初めまして。

せやから、めっちゃ緊張してんねん。

初めてのクリスマスデートってことと、はたして俺は時間の電車に間に合うのか。
家から駅まで自転車を爆速で漕いだ。

間に合った。よかった。

今日のデートは特別やし、

いつもと違うとこ行ってみよかーってなって、ちょっと高めのディナーを予約した。

んで、そこでクリスマスプレゼント渡せれたらなぁ…って。

これはまだ内緒やねん。

後で言うつもり。

初めての待ち合わせ場所に遅れんように、

クリスマスムードいっぱいの駅の中

ハンドベルの音だったり、鐘の音やったりが鳴り交う駅内を
走らんように、でも急いで歩く。

『ついたよー！』

なんてタイミングよく通知が鳴り、

「俺も着いた！」とだけ送って周りをグルっと見渡す。

Aちゃんはちっちゃいから人混みの中に埋もれてないか心配やけど、

駅の階段下、ふわっとこっちを見て笑ってるAを発見した。

その空間だけまるで別世界のようで、
白いモフっとしたコートが良く似合うAちゃんの笑顔を見るだけで

俺の胸の奥の方がジュワッと熱を持った。