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彼の腕の中、抱きしめられる。
子供の時みたいだね、なんて言う君の笑い声が上から聞こえてくる。
ああ、この時間が永遠に続けばいいのに。
数秒後にはきっとこの腕が離れて、いつもの俺らになって、涼太は俺じゃない誰かと結ばれるんだろう。そんなこと分かってる。だから今だけは俺だけの涼太で居て欲しくて、もう少し、あと少しって彼の体温を感じた。
「翔太、俺が結婚するって聞いてどう思った？」
どうしてそんな意地悪なことを聞いてくるんだこの幼馴染は。
「・・・寂しかった。」
どうせ終わった恋だ。最後くらい、素直になろうって思ったんだ。
「涼太が遠くにいっちゃうって思って寂しかった」
「・・・俺はどこにもいかないよ」
「分かってる、分かってたけど！俺の知らない涼太になるのが嫌だっ・・・」
最後まで言い切る前に唇を閉じられる。
甘くて、深くて。涼太の全ての体温が感じられる気がした。
ああ、これで俺がウエディングドレスでも着てたら何か違ったのかな。
神様どうか、俺たちの無礼をお許しください。もう少しだけ、もう少しだけ彼を感じたいだけなんです。
唇が離れると、悲しそうな顔で見つめてて。
ねえ涼太、なんでそんな顔してるの？君はこれから幸せになるのに。
ふわっと涼太の手が俺の頭に伸びて来て、額をくっつけ合う。
「どこにもいかないって。だって、俺は小さい頃から翔太が好きだったんだから。」
そう言うと、今度は離した額にキスをした。
コンコンッとドアのノック音が響く。
「新郎様、ご準備お願いします。」
外からスタッフさんらしき声が聞こえて、涼太はこちらを見ずに部屋から出て行った。
虚しく響いたドアの閉まる音。
俺はまだその場を動けず、床にへたり込んだ。
ねえ涼太、もう少しだけ貴方の側に居てもいいんですか？
【もう少し/kiroro】
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うどん(プロフ) - wさん» すみません、気づきませんでした。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月14日 10時) (
レス) id: f49343510f (このIDを非表示/違反報告)
w - オリジナルフラグを外して下さい (2019年11月14日 6時) (レス) id: 71eb22e258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年11月12日 22時
