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「翔太くん」
「なに」
「俺のことも撫でて」
「やだ」
「なんで！俺怒ったもん。撫でてや！」
「やだよ」
「なんでや！猫ちゃん撫でれて俺は撫でれへんの？ちゃんと理由を述べてくださいー」
「んー...じゃあ、康二アレルギー？」
返ってきた言葉は思ったよりも残酷で、「ひどい...」と落ち込むと、翔太くんはさっきよりも大きな笑い声を上げた。
翔太くんはきっと俺の気持ちに一生気づいてはくれないだろう。俺にほんの少しの勇気があれば、きっと毎回後悔せずにすむんやけどなぁ...
不意に見上げた空は雲ひとつなく真っ青で、12月の割には暖かくてムズムズする。
...ん？ムズムズする？
太ももに先ほどまでなかった重みを感じて、見ると1匹の子猫がサンドイッチの匂いを嗅いでいる。
「あ、あかんて...」
弱々しい訴えは虚しく、続け様に出たくしゃみによって掻き消された。
途端に、太ももの上にいた子猫は勿論のこと、翔太くんが触っていた子達諸共散り散りに走り去ってしまった。
「あーあ」
翔太くんが怪訝そうな顔で俺を睨みつける。
「ご、ごめん...」
落ち込んでいると、フフンと笑う声が聞こえて、俺の隣に座る翔太くん。
「それ、一口ちょうだい」
ニコニコの笑顔で指をさしたのは、俺が持っていたサンドイッチ。
「えっ、食べるならもう1個あるからあげるけど...」
「いい、それでいい」
無理矢理俺の手首を掴み、手元のサンドイッチをパクリと一口。
「うん、おいしい」
そう言ってはにかむ翔太くんはめっちゃ可愛くて、正直、ドキドキした。
「んー、いい天気だなー！」
つい横顔に見惚れてしまっていた俺は、伸びをした翔太くんの声でハッと気がついた。
「楽屋戻らへんの？」
「え、康二ここで食べるんでしょ？待ってる」
驚きのあまり思わず出てしまった大声に、翔太くんは「うるせーな」と眉を顰めた。
それからはいつもより沢山いろんなことを話した。喋り続ける俺に翔太くんは呆れてたけど、この2人きりの短い休憩時間を無駄にしないように、ただこの瞬間だけでも俺だけを見てくれますようにって。
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うどん(プロフ) - wさん» すみません、気づきませんでした。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月14日 10時) (
レス) id: f49343510f (このIDを非表示/違反報告)
w - オリジナルフラグを外して下さい (2019年11月14日 6時) (レス) id: 71eb22e258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年11月12日 22時
