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「めっちゃ似合うじゃん！」
サークル仲間達が俺を囲む。鏡で見た自分の姿は全くの別人で、自分でもイケんじゃんなんて思った。メイクは女子にやってもらい、頭はウィッグ。こうゆう時オタク仲間は強いな、と心の底から思った。
仕上げに、ブラウスの中にタオルを詰める。これで見た目は完全に女子だ。鏡の中の自分は完全に嘘の姿。でもこれが最後。
「佐久間！岩本くん来た！」
更衣室の外から阿部ちゃんが呼びかけてくる。この姿を見られたら、もしかしたら照に引かれるかもしれない。ぶっちゃけ今逃げちゃえば楽になる。でも、これで何かが変わるなら...俺は意を決して更衣室を出た。
「よ、」
「え？佐久間？」
案の定照はめちゃくちゃびっくりして、開いた口が塞がらないって状況。
「どうしよう、可愛い」
少し照れながら言ったのは夢か現実か、顔が熱くなるのが分かる。
「ささ、岩本くんも！」
「え！？」
そう言われて阿部ちゃんに更衣室に連れられ、数分後に現れたのは久々に見る制服姿の照。
「うん、かっこいい」
「お前...その姿で言うなよ」
なんでだろ、この姿なら、嘘の自分なら素直になれちゃうもんなのかな。分かんないけど。
「照、行こ」
そう言ったときには既に照に手を繋がれていて、校内を2人で歩く。
部屋を出るときにいってらっしゃ〜いと手を振る阿部ちゃんのニヤケ顔はそりゃ見せられるもんじゃなかったけど。
「覚えてたんだ？」
「ん？」
「高校の時の俺の夢？文化祭を制服デートするってやつ」
「・・・うん」
「ありがとう」
そう嬉しそうに笑う照は凄くカッコよくて、思わず繋いだ手にギュッと力を込めてしまった。こんなに嬉しそうな照を見たのはいつぶりだろうか。提案を持ちかけてくれた時はまじで気でも狂ったかと思ったけど、こうなった今、阿部ちゃんには感謝してもしきれない。
周りを見渡せば思ったよりも視線を浴びてて、照の人気に嫉妬しつつも、この姿とはいえ、今日の照を独り占めしてる自分にちょっと得意げになる。
「じゃあさ、今日一日はカップルになっちゃう？」
「・・・そうだな？」
ふざけて言った一言。思わぬ返しにびっくりしたけど、でも今の俺は嘘の姿。だから、何を言っても嘘になるよね？明日からはちゃんと、ちゃんと素直になるから、
「照、好きだよ」
今日もその横顔を隣で見れるのなら、今だけは、本当の気持ちに気づかないフリをしてください。
【恋と嘘/赤い公園】
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うどん(プロフ) - wさん» すみません、気づきませんでした。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月14日 10時) (
レス) id: f49343510f (このIDを非表示/違反報告)
w - オリジナルフラグを外して下さい (2019年11月14日 6時) (レス) id: 71eb22e258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年11月12日 22時
