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帰り道。照が何か話してる。でも俺は、さっきの女の子のことで頭がいっぱいだった。静かな俺は嘸かし珍しかったのだろう、時折照が心配そうな顔で「どうした?」って聞いてきたが、俺は首を横に振るだけだ。

「早くしないと、誰かに取られちゃうよ?」

阿部ちゃんの声が頭の中でグルグル回る。嫌だ。そんなの嫌だ。俺はきっと安心しきっていたんだ。いつまでも照の隣に居られるって。
今まで俺が嘘をついてきた意味はなんだ?それだけでこれからも照と一緒に居られると思ってるのか?これからも自分の気持ちに嘘をつき続けるのか?

「ねえ、照」
「ん?」
「学園祭の日、空いてる?」

だから、嘘をつくのはこれで最後にしようって思ったんだ。


家に帰ると速攻で阿部ちゃんに作戦実行の連絡をした。そしたらすぐに電話がかかってきて、電話口でめちゃくちゃ喜んでる阿部ちゃんが煩かった。

「ねえ阿部ちゃん、お願いがあるんだけど」
「なに?」
「モノは阿部ちゃんが用意してくれるって言ったよね?」
「もちろん!」
「じゃあさ...」

電話を切った後、心臓がドキドキしているのが分かった。




「うっわ、すげ...」
「へへん。どんなもんだい。」

学園祭当日。阿部ちゃんが誇らしげに持ってきたのは、ブレザーの制服。男女のモノが1着ずつ。

定例会議の日、阿部ちゃんが俺に耳打ちしたのは、
「佐久間が女装して、岩本くんと回る」
だった。

「本当に持って来やがった」
「当たり前だろ!探すの結構大変だったんだぞ!」

そして、この"制服"を指定したのは俺。

あれは高校の文化祭の時。照と2人で校内を回っていると、時々すれ違うカップルを見ながら照は「いいなあ、俺も文化祭を制服デートしてみたかった」なんて言っていた。だから、今回それを叶えてやろうって根端だ。

「じゃ、準備するよー」

阿部ちゃんは俺の手を引いて更衣室へ連れ込んだ。

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うどん(プロフ) - wさん» すみません、気づきませんでした。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月14日 10時) (レス) id: f49343510f (このIDを非表示/違反報告)
w - オリジナルフラグを外して下さい (2019年11月14日 6時) (レス) id: 71eb22e258 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うどん | 作成日時:2019年11月12日 22時

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