宝探し(2)

あれよあれよと ページ5

「あ、よろしくお願いします。」

テヘって、ニヤける俺。
結局カッコなんてつけられない。


感動の再会なんて、
小説じゃあるまいし、現実の世界はこんなもの。


でもすげー。
ずーっと胃の近くで絡まってた糸みたいなもんが、スっと解けた気がした。

Aの笑顔を見ただけで。


A「ビックリさせてごめんね、皆には口止めしてたから」

「え、ああ、うん」


Nは普通に教えてくれたけど？笑


A「話したいことは他にもあるけど…
今はとにかく、ここを楽しんでっ」


話したいこと…って

あの時のこと？


一気にタイムスリップしてしまいそうな俺を
チームメイトが現実に引き戻す。


N「固まってるぞ！うし！」
Y「紅くなってるー！」
P「ひゅーひゅー」


うぜーし！
っつーかお前ら、どこまで知ってて言ってるわけ？笑


Nに聞くと、
Aからはただの同級生としか聞いていなかったけど

勝手に俺が初恋の相手って暴露したから
皆と目配せして俺をからかったんだって。

んと、タチ悪ぃ〜！


N「いいだろ？もう昔の恋なんだし！」


「…それはどーでしょうか」


P「なに⁉︎まだ好きなのか⁉︎」


やべー…やっちまった。


もうそこからは皆が俺を置き去りにして勝手に盛り上がっちゃって。

何故か俺は今日、Aを送ることになった。


「いやいや、俺今日Nの車で来たし」

N「大丈夫だ、明日返しに来てくれればいいから」

P「シートだけは汚すなよ！」


ピッチの中でも外でも、チームワークだけは抜群に良い。

無駄にな。苦笑

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