宝探し(2)

人気者 ページ4

時が止まったみたい。


近づいてくるその人の動きが
スローモーションに見える。


多分俺は今、すっげーまぬけな顔のままフリーズしてると思う。


「…(°_°)」


まさかまさかの、リアルA。


俺に気づいてない？

Nが駆け寄ってハグをすると、
他の皆も席を立ってAのところに寄って行った。


初恋の相手が十数人の外国人にハグされまくってるこの状況…複雑。苦笑

しかもめっちゃ人気者じゃん。
ほっぺにチューまでされてんじゃん。


「…あらあら、あららぁ。」


さっきまでのドキドキはどこへやら

俺は呆気にとられてそれを眺めていた。


N「うし！こっち来い！紹介するよ」



Nがこっちまで来て俺の手を引いた。

だから力強ぇ〜んだって。苦笑



わしゃわしゃ〜って輪の中に突っ込まれて

「やめろ」
「いて！」

とか言ってたら

ポイッて
いつの間にやらAの目の前。

いや、ほら、もっとあるじゃん？
何年か振りに会うんだから、感動の再会みたいなやつ！


ゆっくり目線を上にあげると
あの頃よりももっと綺麗になってるAと目が合った。


言葉を選んでいたら

「ドイツにようこそっ」

そう言ってAは、あの頃と同じ笑顔で笑った。

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