ツキプロメンバーと… (ページ8)

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志季03 ページ8

扉側からこちらに歩いてきて、ベッドの端へ腰掛けた。

逃げられるような雰囲気でもないし、なにより里津花さんなら話しても大丈夫だと思う。

｢…と、言うことがありまして…｣

何故かベッドの上で正座をして話してます。

いや、悪いことはしてないんですけど、こう、ね？

話を聞いた里津花さんは、あぁなるほどね？っと相槌を打ち、

【たぶん、少し前に翼と雑誌か何かの撮影があったと思うんだけど…】

里津花さんが言うには、撮影で、ちょっと肌蹴たシーンを撮る時に、たまたま小道具を両手に待ってた翼くんの代わりに、志季がシャツに手をかけたみたいで、その手が擽ったくて、翼くんが逃げた、と。追いかけた志季の言葉が…

「脱げ、逃げるな、ってこと？」

【そうなるね？ちょうどその撮影の日、志季も徹夜中だったから、印象に残ってるのかも…なんだかごめんね？】

と、何故か里津花さんに謝られてしまった。

「いえ、理由が分かって良かったです。ありがとうございます！」

ホッとしたのも束の間、里津花さんは表情を変えずに、

【でも、Aさんにこんな思いさせるのは、ちょっと頂けないかな？…だから、ちょっとだけ、イタズラしてみない？】

不敵な笑みを向けられた。

(ちょっとだけ、って何するんだろ？)

不安はあるものの、頭を過ぎったのは、普段優しい人が怒った時ほど怖いものは無いって事で…

「ちょっとだけなら…ぜひ。」

逆らえません！
(ごめんね、志季)

― ― ―

そんなこんなで共有ルームに2人して戻ると、そこには志季も起きてきていて…

『Aか。起きたら部屋にいなかったんだが、どこか行っていたのか？』

ソファに座り珈琲を片手に振り返ってきた。

どう返事をしようかと迷っていると、隣にいた里津花さんが、

【どこかの誰かさんにいじめられちゃったみたいで泣いてたから、俺の部屋で一緒に寝てただけだよ、ね？】

肩を抱かれて引き寄せられると、耳元で、合わせて、って微笑まれたので、従うしかなくて…

｢はい。里津花さん、ほんとにありがとうございました！おかげでスッキリしました！｣

と、微笑んで里津花さんに顔を近づけると、頭を撫でられた。

ふと視線を感じて志季を見ると、案の定面白くない、と顔に書いてあった。

『何の話だ？何故里津花の元に行ったんだ？』

テーブルに珈琲を置くと、こちらに向かってきた。

【あれぇ志季覚えてないの？Aさんはこんなに辛かったのに？】

の言葉に足が止まった。