ツキプロメンバーと… (ページ7)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:2,092 hit

志季02 ページ7

志季の温もりに包まれて目が覚めると、まだ数時間しか経っていなくて、やっぱり志季は寝ていた。

『久しぶりだな、志季の匂い…』

腰に回した手で薄いけど、しっかりした胸に顔を埋めた。

自分で言っておきながらちょっと変態みたいで恥ずかしくなった。

身じろいだ志季の手はがっちり腰と後頭部に回っていて、更に距離が近づいた。

『あー…これは抜け出せないか…笑』

諦め半分で腰から後頭部へ手を伸ばし、サラサラの髪を撫でた。

「…ん…。」

気持ちよかったのか、猫みたいに擦り寄ってくる志季が可愛い。
そのまま撫で続けていると、

「…つ、さ……ぬ…げ…」

後頭部に回っていた手が頬を撫で、口元を緩めて笑った。

…え？

どういう事？

たぶん、翼くんのことだとは思うんだけど、脱げって言った？

『…この手は…えーっと？』

翼くんと間違えられてる事もアレなんだけど、完全に顎を掬いにきてるこの手…夢で翼くんと何してるの…？

(いや、さすがに夢だから怒れないんだけど…)

そんな事を考えているうちに、ゆっくりと顔が近づいてきて、

「…げ、るな……」

気づけば唇が触れる瞬間で、思わず顔を押し返した。

『ごめん！やだ！』

(今の、逃げてなかったら完全にその、キス、してたよね？)

何でもないと頭では分かってるのに、不安が頭を埋め尽くしていて…

『…志季のばかっ…』

押し返した時に緩んだ腕の中から抜け出して、部屋を出た。

(思わず飛び出してきたけど、どうしよ～！顔合わせられないよ…)

『でも、脱げだの逃げるなって…お仕事しててさ、普通言わない、よね？』

ぐるぐる考えても結局答えは出なくて、ため息をついた。

(部屋、戻ろ…)

自分の部屋に戻り、灰月さんから連絡が入っている事を確認して、ベッドへ潜り込んだ。

次に目が覚めると、外はオレンジ色に染まっていた。

『あぁ…もう夕方か…はぁ…里津花さんにでも相談、するか…』

と、呟いたと同時に、

【相談ならいつでも聞くよ？…何かあったの？】

扉側からそんな声が聞こえて飛び起きた。

振り向くと、扉にもたれかかってこちらに微笑む里津花さんがいた。

『なっ…んでここに？』

いつもならノックの1つ、絶対に忘れずしてくれるのはずなのに。

【あぁ、ごめんね？いつもならお昼食べに来るのに来ないし、様子見に行こうとしたら重い足取りで部屋戻る姿が見えたから、声掛けられなくって…ね？】

5分前ぐらいに来たとこだよ。ってまた微笑まれた。

【それで？】