ツキプロメンバーと… (ページ6)

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志季01 ページ6

『はい、確かに預かりました！…お疲れ様、志季』

最後の1曲を書き上げた分を預かり、目の前で抜け殻みたいに寝転がる志季の頭を撫でた。

「あぁ、あとは頼んだぞ…とりあえず珈琲…」

何徹目か分からないぐらい部屋に篭ってた志季のクマは酷いけど、今回はまだマシな方だったみたい。

『はいはい、ちょっと待っててね？』

お仕事に夢中なのは心配だけど、熱心な所と一切妥協しない志季の仕事ぶりが大好き。

(志季が寝てしまう前に珈琲持ってこないと…)

共有ルームに顔を出せば、キッチンには里津花さん、ソファには翼くんと大さんがいた。

『おはようございます！無事に上がりましたよ～！里津花さん、これ灰月さんへ、お願いします。』

先程出来上がったばかりの楽譜を封筒に入れて手渡した。

【はい。しっかりと預かりました♪そんなAさんには、はい。これ。持って行ってあげて？】

封筒と交換に手渡されたのは、2つ分のマグカップとサンドイッチの乗ったトレーだった。

『里津花さん！ありがとうございますっ！いただきます！』

皆に見送られ部屋に戻ると、ソファまでは頑張って移動したみたいで、ぐてっと寝転んでいた。

『志季、おまたせ？はい、里津花さんから。』

隣に座り、マグカップを目の前に置くと、大量のミルクを注いであげた。

「…おい。何してるんだ、俺は『ブラックが好きなのは知ってるけど、空腹にブラックは？』…はぁ、分かってる。ちゃんと食べる。」

珈琲の匂いに釣られて目を開けた惨状に1つため息を吐きながらも、いただきます。と出会わせて食べ始めた。

『今回もまた無理したね？明日はオフにして貰ってるから、ちゃんと寝てね？』

隣を見ると、今にも目を閉じてしまいそうな志季がいて、肩に当たるサラサラの髪がくすぐったい。

「あぁ…それは分かっている。…が、すまない。せっかくのオフ…なのに何も出来なくて。」

うつらうつらとしながらうわ言のように言葉を紡ぐ志季。

マグカップを持っていたら絶対こぼしてただろうなー。

『そんなの今更じゃない？笑私は志季の仕事熱心な所が好きでここに居るんだから、気にしないで？あ、もしどうしてもプライドが、とか男の沽券にーとかいうなら、一緒に仮眠取ってもいい？』

微睡みの志季に冗談半分で聞いてみると、Aが良いなら来い。といつもより低めの、だけど優しい声で返された。

『…っありがとう、志季。おやすみなさい。』

なんとかベッドまで運び、2人して夢の中に落ちた