宗司05 ページ15
呼ばれて、ソウちゃんの立つ前、天守閣の手すりを掴んで外を見ると…
「わぁー!!すごい!!はなびー!!」
目の前には色とりどりに咲き誇る花火が写った。
『ここ、意外と知られてないみたいだから、特等席だな。』
上を向くと、フッと笑ったソウちゃんが花火に照らされていて、目が離せなかった。
(やっぱりカッコイイなぁ…)
改めて、ソウちゃんのカッコ良さにドキドキしてきちゃった…
「あの、ソウちゃん!今日は一緒に花火に付き合ってくれてありがとう!!それと…あの、あのね?」
勇気を出して見上げると、ソウちゃんも何かを感じて、屈んでくれて、
『お前が大人になったら考えてやる。だから、早く追いついてこい。な?A』
今日は俺も楽しかったよ、って微笑まれてまた頭を撫でられた。
「…うん。早く大人になるから、ちゃんと待っててね?」
真っ赤になった顔で照れくさそうに笑った。
『あぁ、約束な?』
気づいた時にはおでこに温もりを感じて、手を取られたかと思ったら、前を歩き出すソウちゃんの姿があった。
「…!ソ、ソウちゃん今のって…っ!」
抗議するように手を握り返すと、振り向いて、
『ナイショな?』
と唇の前で長い指を立てた。
end.
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽむ | 作成日時:2019年3月5日 1時