あんスタ短編 (ページ31)

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復讐(晃牙)04 ページ31

声と共に現れたのは、UNDEADの衣装を模した覆面の奴が立っていた。

『だ、誰だよ、お前！』

晃牙のびっくりする声が届いたが見据えたのは、相手の音楽特区のヤツらただ一点

「絶対に許さねぇからな？」

睨みを効かせると、向こうも気づいた様で顔を引き攣らせた。

『はいはい、晃牙くん。早く位置に着いて～？』

『さて、ここからはUNDEADのスペシャルライブじゃ。存分に楽しむとよい』

後ろから肩を叩かれ、視線を寄越すと零くんの紅い眼が熱を帯び、頷いた。

「っしゃー！！行くぞオラ！」

曲はもちろんUNDEADの曲。
ただし、歌うのは私のみ。

この状況に困惑しつつも盛り上がりは最初から最高潮

零くんと羽風先輩にはボーカルではなく、バンドメンバーとして手を借りた為、お客さんの湧き上がりもまた別格だった。

ひとしきり歌い終えた所で、彼らに向き直る。

「おい、お前ら。言ったよな？出しゃばったらどうなるって？ここは音楽特区なんだよ。だったらせこい真似しねーで正面から挑んで来やがれ腰抜けが！」

【な、なんなんだよ、コイツ！前はそんな感じじゃなかったじゃねーかよ！クソっ！こんな所二度と来るかよ！】

「ﾊｯ誰が何だって？二度と近づくんじゃねーよ！」

舌打ちを零し舞台から走って逃げていく姿を見送って、会場は暗転した。

『おい、今度は何だよ！』

次に明かりが着いた時、覆面の姿はどこにもなかった。

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それから数日後

晃牙には風邪を引いたからお休みを貰ってた、という名の嘘で数日会っていなくても疑われる事は無かった。

『はよ、Aもう風邪大丈夫なのかよ？』

「うん。心配かけてごめんね？もう大丈夫だよ！」

休み明けの学校の屋上

『そっか。なぁ…Aが俺に嘘なんて付かねーよな？』
(ん？)

「どーゆー…っ！それ…」

晃牙の手には、あの日引きちぎられたはずのネックレスが握られていた。

『これ、羽風先輩からAにって…これどーゆー…っておい、どうしー「っ」おわっ』

感極まって勢いのまま晃牙に飛びついた。
ギュッと首に手を回すと、慌てながらもしっかりと優しく受け止めてくれた。

あの後、どこを探してもチェーンの一つも見つからなかったのはそういう事だったんだ。
(良かった…)
『あーもー！！なんで泣いてんのかとか聞きてー事は山ほどあるけど…もう無くすんじゃねーぞ？』
「ごめんなさいっ」
(きっと、自分の知らない所で傷ついてたなんて知ったら怒ると思うけど、守りたかった気持ちは同じだから)