あんスタ短編 (ページ29)

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復讐(晃牙)02 ページ29

誰かに呼ばれる声と共に、遠くからサイレンの音が聞こえた。

【チッ、おい、あいつに伝えとけ。これ以上出しゃばってくるとこんなんじゃ済まねぇからな！】

吐き捨てるように告げ、暗闇へと走り去った

バランスを崩し地面に倒れ込むと、後ろから走ってくる足音がだんだん大きくなってすぐ側で止まった

『Aちゃん！』

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丁度お店の用事で外に出た所で、晃牙くんがよく利用してるお店のオーナーが焦っている所に出くわした。

『こんにちは、何かあったんですか？』
そう訪ねると、よく晃牙くんと一緒にいる女の子が、ガラの悪い連中に連れられ路地裏に入って行ったから心配だって、教えてくれた。
まさかと思って追いかけて見たら、Aちゃんだった。

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『大丈夫！？とりあえずこれ、俺ので悪いけど羽織って？』
大きめのジャケットに包まれハッとする

「…許せないっ」

散らばったチェーンとシルバーリングが目に入り、地面に着いた手を血が滲むほど強く握りしめた。

『Aちゃん、立てる？とりあえず落ち着いて話せるところに移動しよう』

そっと肩を抱かれ立ち上がると、後ろ手にオーナーさんが警察の人と話す声が漏れ聞こえた。

「…すみません、ありがとうございます。」
お礼を告げ、オープン前の見慣れたライブハウスの控え室まで歩いた。

『…はい、お水とタオル。あと、首は冷やした方がいいね…赤くなってる。』

あれこれ気遣わしげに動く羽風先輩に、

「ありがとうございます。すみません、この事晃牙には言わないで下さい…それと、一つだけ先輩にお願いしたい事があるんですけど…」

内容を伝えると、少し不思議そうにしながらも二つ返事で頷いて部屋を出た。

(あとは…この人に連絡)

「…今からいつもの場所来れますか？それとアレ余分に持ってます？借りたいんだけど」

『誰かと思えばAじゃったか。…素が出ておるぞい』

発言とは裏腹に楽しそうな声でからかわれた

「誰もいないからね。それに今それどころじゃないの」

とりあえず1人で来て、とだけ伝えると返事も待たずに切った

---数分後

『あれ、零くん？どうしてここに？』

『ちと呼び出されてな、こやつに…して、その傷はどうしたんじゃ？』

控え室に集まった2人。

「後で説明する。それより頼んでたアレは？」

『ほれ、これじゃろ？こら、薫くんが固まっておるぞい…まったく』

「ありがと。羽風先輩、この事晃牙にはヒミツでお願いしますね？」

『うん、それは大丈夫だけど…』